東京ガスネットワーク トピックス
VE導入で大幅効率化へ・2024年度「VE活動優秀賞」受賞
2024年10月10日
東京ガスネットワークは、公益財団法人日本バリューエンジニアリング(VE)協会(東京都世田谷区)が顕著なVE活動※1を実施し経営に大きな貢献をした企業を表彰する2024年度「VE活動優秀賞※2」に選定されました。
「VE活動優秀賞」はVE活動を継続的に実施し、その成果により企業経営に大きな貢献をしたと認められる企業に授与される賞です。
当社グループでは、2017年に始まった「ガス小売全面自由化」を契機にコスト構造改革を実行しVE活動も加速させました。 当初は購買手法によるコストダウンを中心としていましたが、更なる改革を推進する手段としてVEを導入開始しています。最近では、BPR(ビジネスプロセス・リエンジニアリング)やマーケティング、事業改革まで活用範囲を広げるなど、全社的な活動として取り組んでいます。
東京ガスネットワークでは、部門横断型のVE活動に加え、WAVE法による職場単位の小集団活動にも取り組みを進めており、その取り組みと成果を評価していただき今回の受賞となりました。
今後も、東京ガスネットワークは、自社事業で保有する技術や情報等を活用し、インフラ事業における社会課題の解決を目指してVE活動を行ってまいります。
取り組みについてのご紹介
約3億円のコスト、約1万2千時間を削減
東京ガスネットワークでは、2019年から2023年度末までに23件のVE活動を実施し、約3億円のコスト、約1万2千時間を削減してきたことなどが評価され、優秀賞受賞となりました。
例えば、ねずみ鋳鉄管からPE管(ポリエチレン管)への取り替えにおいてVEを活用。工期短縮のため、現場に導管を運搬する前にPE管切削や片口融着を済ませて、現場での作業を減らすなどしています。
導管切断の手作業の時間短縮のため、現場で使える新規切断工具を開発し、利用するなどの改善策も採用。作業時間25・2%削減を提案し、1日の取り替え工事距離を5メートルから6~7メートルに延伸しました。
建設業界の人手不足のため、2030年に現在の7割程度の人員で導管事業を運営しなければいけないと想定し、VE活動を強化しており、協力会社にも活動を拡大する予定です。
WAVE法を活用した業務改善の取り組み・実施手順
WAVE法を用いて、日頃の定型業務の中から課題の抽出、改善提案を実施しています。
現場業務の一連の流れを機能分析し、機能に対して負荷が大きい業務に対して改善提案をしていくものです。
ステップ | 取組事項 | アウトプット |
---|---|---|
ステップ1: テーマ探し |
200項目以上を網羅した管理・間接業務に関する「問題項目関連図」による問題点チェックリストの作成と、チェック後のテーマ絞り出し | ・改善決定テーマ ・改善目標 |
ステップ2: 役割探し |
とりあげたテーマが、どのような構成や手順から成り立っているかを現状把握して、それぞれが「何のために」という質問を繰り返す | ・改善すべき「役割」 |
ステップ3: アイデア探し |
その「役割」を果たすアイデアを幅広くさがすもので、アイデアの着眼点となるキーワードを順に入れ替えて、どんどんアイデアを増やしていく | ・キーワードによる強制発想法による たくさんの改善アイデア |
ステップ4: 提案・まとめ |
ステップ3で見つけたたくさんのアイデア、改善案を総合的に評価して 最も良い改善案にまとめる |
改善案 (改善アイデアは合体させてもよい) |
※1「VE活動」とは
VE(Value Engineering)とは、製品やサービスの「価値」を、それが果たすべき「機能」とそのためにかける「コスト」との関係で把握し、 システム化された手順によって「価値」の向上をはかる手法です。
VEは、1947年米国GE社のL.D.マイルズ氏によって開発され、1960年頃わが国に導入されました。 当初は製造メーカーの資材部門に導入され、そのコスト低減の成果の大きさが注目されました。その後、企画、開発、設計、製造、物流、事務、サービスなどへと適用範囲が広がるとともに、あらゆる業種で活用されるようになり、顧客満足の高い、価値ある新製品の開発、既存製品の改善、業務の改善、さらに小集団活動にも導入され、企業体質の強化と収益力の増強に役立っています。
※2「VE 活動優秀賞」とは
日本バリュー・エンジニアリング協会(*)に加盟する個人またはグループのなかで、協会事業の発展、維持または VE 活動について、特に顕著な業績をあげたと認められた個人またはグループを表彰しています。「VE 活動優秀賞」は、特に顕著な VE 活動を行い、その成果が協会活動などにおいて公表され、かつ所属する企業の経営に大きな貢献をしたと認められる場合に表彰するものです。
(*)1980 年に設立し、国内外の VE に関する情報を提供し、産業界における VE 活動の促進と VE 成果の向上をはかるために、各種事業活動を行っている団体。
公益社団法人日本バリュー・エンジニアリング協会HP:https://www.sjve.org/vecan/ve