東京ガスTOP > 企業情報 > 取り組み・活動 > どんぐりプロジェクト > 2014 秋のどんぐりスクール活動報告 |
7:45 | 池袋 出発 |
バス車中にて導入クイズ | |
11:20 | 長野・東京ガスの森 到着 |
11:30 | 開会式(オニグルミ広場) |
11:45 | 昼食 |
12:15 | 森づくり体験プログラムスタート |
12:40 | 間伐デモンストレーション |
13:00 | 苗木のケア |
13:20 | 自然体験プログラムスタート |
トレッキングで秋の実り探し! | |
作ってみよう!木づかい工作! | |
14:50 | 閉会式 |
15:20 | 長野・東京ガスの森出発 |
19:45 | 池袋 到着 |
快晴に恵まれたどんぐりプロジェクト・秋のスクール。長野・東京ガスの森へ向かうバスの車中では、親子でクイズに挑戦しました。「大型台風はどうして発生するの?」。最近発生した自然災害を振り返りながら、地球温暖化が私たちの暮らしにおよぼす影響について学びます。
その後、東京ガス・オリジナルDVD「ハリーと森の仲間たち」を鑑賞し、過密になった木を切る「間伐」について学びました。これで事前学習もバッチリ!これから体験する森での活動に胸をおどらせる子どもたちでした。
木々の葉が色づきはじめた長野・東京ガスの森。まずは、オニグルミ広場で森の果たす役割や森づくりの大切さについて学びます。
森の役割の1つが「地球温暖化を防ぐ」こと。森の木々が二酸化炭素(CO2)を吸って酸素を出すことで地球温暖化を防ぐことになるのです。
森の役割を学んだ後は、プロの林業家による「間伐」のデモンストレーションを見学しました。切り倒す木はカラマツの木。樹齢は52歳。高さは約30メートル、マンションの10階建てにあたる立派な木です。「ウィーン」というチェーンソーの音が森に響き渡り、子どもたちに緊張が走ります。
“メキ、メキメキッ”木が悲鳴をあげているような音とともに、倒れました。初めて見る大迫力の光景に、「うわあ!」と歓声があがります。
「苗木のケア」も体験しました。寒い冬を迎える前に、雪の重みで枝が折れないよう、以前に植樹した苗木をピンクのリボンで添え木にくくりつけます。
紅葉がはじまった森を歩きながら、植物のタネや木の実、動物たちが残した痕跡を探します。森の生きものたちの暮らしから生態系の仕組みを学び、温暖化による影響についても考えていきます。好奇心いっぱいの子どもたち。森の専門家と一緒に、探索スタートです。
オニグルミ広場から見晴らし展望台を目指して森を進みます。最初に発見したのは、栗。山道いっぱいに落ちています。でもよく見ると、栗の実がほとんど入っていません。それは、クマやリスなど森の生きものたちが食べてしまったからです。
さらに地面に目を凝らすと、イノシシが木の実を探して土を掘り返した跡を発見。おいしい秋の食べものを探す生きものたちの姿が、目に浮かぶようです。
次に見つけたのは、大きなホオノキの葉。独特の香りがあるこの葉は殺菌作用があり、古くから食べものを包む料理に利用されています。さらに、サルノコシカケやニガクリタケなどのきのこ類も、朽ちた木の端から顔をのぞかせていました。
展望台に到着。雲ひとつない空を背景に、秋めく浅間山を眺めながらひと休み。胸いっぱいに澄んだ空気を吸いこんだら、痕跡探しの再開です。
歩き始めてすぐ、道の真ん中にツキノワグマとニホンジカの黒いフンがありました。フンの中に植物のタネを発見。動物たちはフンをすることで種子を運び、植物の子孫を増やすといわれています。森では植物も動物も、支えあって暮らしているのです。
さらに、ツキノワグマの痕跡をふたつ発見。ひとつは、桜の樹皮にくっきりとついた爪痕です。夏の終わりに、大好きなさくらんぼを食べにやってきたのかもしれません。
もうひとつは「クマ棚」です。「クマ棚」は木登り上手なツキノワグマが木に登り、枝先の実を食べては、その枝をお尻の下に敷いてできたもの。細い枝が絡み合ってできた「クマ棚」は、まるで大きな鳥の巣のようです。生きものの暮らしを身近に感じ、興奮ぎみの子どもたちでした。
「今日はどんな実りや痕跡を見つけられたかな?」。森の専門家が子どもたちに語りかけます。動物たちは森で育つ木の実や果実を食べて暮らしています。二酸化炭素(CO2)を吸い酸素をつくる木々は、地球温暖化を防ぐだけでなく、そこで暮らす生きものの生態系を守り、めぐりめぐって私たちの暮らしも支えているのです。
田辺さん親子
「自然との触れあいを存分に楽しめました」と嬉しそうに話してくれたのは、初参加のお母さんと娘さん。「なんだか麻ぬのみたい」といいながら、娘さんが見せてくれたのは「クスサン」というガのまゆでした。
【タマアジサイ】
夏に咲くタマアジサイが、まだ花を咲かせていました。草刈りで切られたところから新たに枝を伸ばし、花を咲かせたようです。
【マタタビの果実】
オレンジ色に熟したマタタビの果実が、木のツルにたくさんぶら下がっていました。輪切りにするとキウイフルーツにそっくり!
【ボタンヅル】
白い綿毛をふんわりと広げたボタンヅルの実。日の光にすかすと、銀色に輝いてとってもきれい!
【ツリバナの実】
丸いさやからオレンジ色のきれいな実をぶら下げたツリバナ。実がつり下げられているところから、名がつきました。
【ニホンカナヘビ】
陽があたりポカポカした木の上で、のんびりひなたぼっこのニホンカナヘビ。とっても気持ちよさそうでした!
秋になるとトウモロコシ状の真っ赤な果実が実る「マムシグサ(サトイモ科)」。名前の由来は、茎の部分がまだら模様でマムシに似ているからだといわれています。小粒のおいしそうな果実ですが、実は有毒性。あやまって食べてしまうと、口の中が激しいしびれに襲われるそうです。
さらに、おもしろいのは「性転換」をすること。ひとつの株が自分の栄養状態によって、メスやオス、時には中性に変化する、という不思議な植物です。
森は「緑のダム」とも呼ばれ、貯水のはたらきがあります。夏の間に、地中にたっぷりと水を蓄え、洪水や渇水を防いでくれているのです。
秋の日差しを浴びながら、おひさまハウスに集合。親子で「木のお皿づくり」に挑戦します。
「皆さんの身近にある木でできた道具はどんなものがあるでしょう?」。工作の先生の質問に「いす!」、「おはし!」、「つみ木!」と勢いよく答える子どもたち。私たち人間は古くから木を用い、暮らしの道具をつくってきました。木は、私たちの暮らしと深くつながっているのです。
お皿づくりの材料は、香りのよいヒノキ。四角く加工されたヒノキの板にヤスリをかけていきます。「板の側面に対して垂直にヤスリで削ろう」。工作の先生が教えてくれました。ヤスリで磨き終わると、さまざまな形の枝や色マジックで飾り付け。世界にたったひとつの「木のお皿」が誕生しました。
最後は、間伐したてのヒノキと数日経過したヒノキ、2つの丸太を使って重さ比べを体験。森の木々は「水の柱」ともいわれ、木自体の重量の2〜2.5倍の水を蓄えているといいます。間伐したての丸太を持つと「うわっ!すっごく重い!」「重さが全然違うよ」と、大はしゃぎの子供たち。水を含んだ丸太は、予想以上に重かったようです。木は二酸化炭素(CO2)だけでなく、多くの水も蓄えていることをからだ全体で感じることができました。
森で育つ木々は、太陽の光を浴びると光合成をして、一生懸命大きくなろうとします。今日つくった木のお皿も、元は光合成によりたくさんの二酸化炭素(CO2)を吸収していた木でした。木製の道具を使うことは、木が吸収した二酸化炭素(CO2)を木にとどめたまま使うこと。つまり「二酸化炭素(CO2)の貯金」をしていることになるのです。オリジナルの木のお皿を持ち帰り、長く使うことで少しずつ「二酸化炭素(CO2)の貯金」をはじめてみてください。
森さん親子
お母さんの提案で初参加したお父さんと娘さん。今回は、工作プログラムを体験しました。かわいらしいイラスト入りのお皿を完成させた娘さん。嬉しそうな娘さんの笑顔を見て、お父さんの顔もほころぶのでした。
森の息づかいを感じながら、「なぜ森づくりが大切なのか」そして「地球温暖化」について学んだ1日でした。
地球に優しいこと、みなさんは何から始めますか?
どんぐりバッチを3つ集めると表彰されるどんぐりマスター。今回は5名が誕生しました。長野・東京ガスの森で育ったヒノキ。その間伐材でつくられた、スプーン&フォークセットが贈られます。季節によって表情を変える森の美しさをあらためて感じたというマスターたち。お家に戻ってからも、家族やお友だちと一緒に身近な「実り探し」に出かけてみてくださいね。
どんぐりスクールでは、毎回、参加者のみなさまへオリジナルバッジを差し上げています。このオリジナルバッジを3種類、集めると「どんぐりマスター」として表彰されます。みなさんもぜひ、どんぐりマスターを目指してください。
どんぐりマスターになるとスプーン&フォークが贈られます。
長野・東京ガスの森の間伐材で作ったもので、無垢の木の香りや質感が楽しめます。