東京ガス株式会社(社長:岡本 毅、以下「東京ガス」)、細山熱器株式会社(社長:細山 欣也、以下「細山熱器」)、日本洗浄機株式会社(社長:中川 幹夫、以下「日本洗浄機」)は、日本で初めて、燃焼式小型ヒーター「エコンバスター」※1を内蔵した業務用食器洗浄機(以下「本製品」)を共同で開発しました。日本洗浄機は、本製品について、2014年5月1日(火)に販売を開始します。
業務用食器洗浄機は、飲食店などの調理施設において食器を洗浄するために使用される機器です。本製品と同タイプのボックス型食洗機(ドアタイプ食器洗浄機)は、国内出荷台数18,841台、業務用食器洗浄機全体の64%(台数ベース)を占め、ファストフード、ファミリーレストラン、居酒屋をはじめとする飲食店、介護老人保健施設等の福祉施設、保育園、小規模従業員食堂等で使われています※2。従来は、事前にお湯を作る機能である「ガスブースター」で、食器の汚れを落とすための60℃の洗浄湯(すすぎ湯は80℃以上)を作り、洗浄タンク内で食器を洗浄するとともに、洗浄タンク内の電気ヒーター等で洗浄湯の保温を行う方式が一般的でした。
本製品では、洗浄湯を貯める洗浄タンクと、その内側にすすぎ湯を貯めるすすぎタンクを配置する二層構造としました※3。ガスバーナーとそれを覆うステンレス製の筒で構成した燃焼式小型ヒーター「エコンバスター」をすすぎタンク内に内蔵し、ガスバーナーで高温に熱した筒の壁面からの伝熱によって、すすぎタンク内の温水を加温し、すすぎ湯を作ります。さらに、高温のすすぎタンクの壁面からの伝熱によって、洗浄タンク内の洗浄湯を保温します。
その結果、本製品は、従来品と比べ、CO2排出量を約12%、一次エネルギー消費量を約12%、年間光熱費を約12%、それぞれ削減できま
す※4、5。また、立ち上がり時間も約半分(21分→11分)に短縮します※5。さらに、「ガスブースター」が不要になるため、従来品よりも機器本体の全幅を約22%削減(880mm→690mm)することで設置性を向上させるとともに、電気ヒーター等を不要にすることで、従来品よりも洗浄タンク内を清掃しやすくしました。
東京ガスと細山熱器は、2013年に「エコンバスター」を開発しました。また、日本洗浄機は、機器表面の輻射熱や燃焼排気の拡散を改善し、厨房空間を涼しい状態に維持することができる「涼厨(すずちゅう)」タイプ※6の業務用食器洗浄機を2008年に開発・発売しています。
このたび、東京ガス、細山熱器、日本洗浄機の3社は、食器洗浄機が業務用厨房機器の中でも最も多くの熱エネルギーを使う機器の1つであることに着目し、「エコンバスター」の技術を「涼厨」タイプの業務用食器洗浄機に活用することで、温水の加温・保温のさらなる高効率化と、設置性、清掃性などの一層の向上を実現しました。
日本洗浄機は、本製品を2014年度に100台販売することを目指し、東京ガスも営業を推進してまいります。
※1: |
「エコンバスター」は、細山熱器株式会社の登録商標です。 |
※2: |
日本厨房工業会「2013年版業務用厨房機器に関する実態調査」より。 |
※3: |
65℃の洗浄湯で食器の汚れを落とし、その後、すすぎタンク内の95℃のすすぎ湯を水で希釈し、90℃弱ですすぎを行います。 |
※4: |
[試算条件]
(1) |
一次エネルギー換算値:電気9.76MJ/kWh(エネルギーの使用の合理化に関する法律)、ガス45MJ/m3(東京ガスデータ) |
(2) |
CO2排出係数:電気0.69kg-CO2/kWh(「中央環境審議会地球環境部目標達成シナリオ委員会中間取りまとめ」平成13年7月より)、 ガス2.29kg- CO2/m3(東京ガスデータ) |
(3) |
ガス料金/一般料金F契約 125.47円/m3、電気料金/低圧電力 25.03円/kWh。
ガス・電気料金/2013年1月時点での調整単位料金に基づく試算。 |
(4) |
比較機種:本製品と同じ洗浄能力をもつ日本洗浄機製SD514GSH※との比較。
※日本洗浄機製の業務用食器洗浄機は、「涼厨」タイプであると同時に、洗浄タンク内の温水の保温を、電気ヒーターではなく、ブースターのお湯を循環させたヒートパイプで行います。 |
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※5: |
[実験データ]
【年間光熱費の比較】 |
(1) |
モニター試験における有効計測データから代表的な稼働日3日分を抽出した。 |
(2) |
日別で水温補正を行い、立ち上り時・洗浄時・保温時でのガスと電気の使用量の平均値を算出した。 |
(3) |
従来品と本製品での立ち上り時・洗浄時・保温時の平均値を、電化厨房機器性能指標基準(改訂4版)(1日あたり立ち上り1回、洗浄回数100回、保温時間7時間)を基に、1日あたりのガス使用量と消費電力を算出した。 |
【立ち上り時間の比較】 |
モニター試験における従来品と本製品の有効計測データから、初期給水温度がほぼ同じとなる日をそれぞれ抽出し比較した。 |
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※6: |
「涼厨」は、ガス・炎のもつ強い火力などの特長をそのままに、従来の課題であった厨房空間の「暑さ」を解消する業務用ガス厨房機器です。「暑さ」の原因は、厨房機器表面が高温になり輻射熱が厨房の室温を上げることや、排気フードで捕集されない熱が厨房室内に拡散することでしたが、「涼厨」では機器の構造と排気方式の改善により、涼しい状態を保つことができます。「涼厨」導入により、空調設備を増設することなく厨房環境を改善できることができます。「涼厨」は、大阪ガス株式会社の登録商標です。 |