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「チャレンジ2020ビジョン」実現に向けた進捗状況について

東京ガス株式会社
平成25年4月26日
広報部

 

東京ガス株式会社(社長:岡本毅、以下「東京ガス」)は、天然ガスのトップランナーとして、お客さまや社会に提供する価値を高め、国の経済発展と国民生活の向上に貢献するべく、2020年に向けたグループの道筋を示した「チャレンジ2020ビジョン」(以下「ビジョン」)を、2011年11月に策定しました。ビジョンでは、LNGの調達から輸送、都市ガスの製造、供給、さらにはエネルギーに関するお客さまのさまざまな課題を解決するエネルギーソリューションの提供と続く一連の事業活動「LNGバリューチェーン」のさらなる高度化を目指しています。これまで、「ビジョン」実現に向けた取り組みを着実に進めており、前回進捗状況を公表した2012年10月30日から本日までの主な取り組みは以下のとおりです。

原料調達・海外事業については、調達先や契約内容等の多様化を通じた原料価格の低減、および海外事業の拡大を目指しています。具体的な取り組みとしては、2017年頃を目途に、シェールガスを含む米国産天然ガス由来のLNGを日本に輸入することを目指し、米国コーブポイントLNGプロジェクトからのLNG調達を決定いたしました(2013年4月)。東京ガスのLNG長期契約として初めて米国天然ガス市場価格を指標とするLNGの導入となります。あわせて、米国テキサス州バーネット堆積盆においてクイックシルバーリソーシズ社が保有するシェールガス開発事業の権益25%の売買契約締結(2013年3月)、ならびに米国プロパン市場価格を指標とする米国産LPG購入の決定をいたしました(2013年2月)。

製造・供給体制の拡充については、東京電力株式会社との共同LNG基地において、LNG火力発電所向けに低発熱量LNGを使用し、都市ガス向けに高発熱量LNGを使用する運用を開始しました(2013年4月)。都市ガス用LPGの受入低減とともに、発電用LNGの受入拡大を行うことにより、首都圏のさらなる安定的・効率的なエネルギー供給を推進しています。

また、茨城県内の増大する天然ガス需要への対応と供給インフラ全体のさらなる安定性向上を図るため、茨城県における天然ガスインフラの整備を加速して進めることといたしました(2013年2月)。具体的には、既に着工している「日立LNG基地」と「茨城〜栃木幹線」の建設を着実に進めることに加え、東部ガス株式会社との間で水戸地区向けの新たなパイプライン建設を合意しました。あわせて、「日立〜鹿島幹線(仮称)」については、2020年までの早い時期の稼働開始を目指し、陸上ルートと海底ルートの2つのケースで調査を開始しました。

エネルギーソリューションでは、家庭用燃料電池「エネファーム」、コージェネレーション、ガス空調について着実に実績を伸ばすなど、分散型エネルギーシステム、および電力ピークカットに貢献するガス機器の普及・拡大を進めています。また、2012年3月の「千葉〜鹿島ライン」供給開始に伴い、2012年度に約5億m3の需要を開発するなど、天然ガスの高度利用と燃料転換の推進を着実に行っています。

東京ガスは、今後も「チャレンジ2020ビジョン」の実現を目指し、「LNGバリューチェーン」のさらなる高度化に努めてまいります。

以上

【参考】「チャレンジ2020ビジョン」の主な進捗状況

2012年10月30日公表『「チャレンジ2020ビジョン」実現に向けた進捗状況について』以降の新たな取り組み

原料調達・海外事業

(1)原料調達先・海外上流事業の多様化

1.シェールガスを含む米国産天然ガス由来のLNG調達を決定(2013年4月)
米国コーブポイントLNGプロジェクトからのLNG購入(2017年予定のプロジェクト稼働開始から20年間、140万トン/年)について、子会社のティージープラス株式会社(2013年2月設立)と住友商事株式会社の間で基本合意。東京ガスのLNG長期契約として初めて米国天然ガス市場価格を指標とするLNG導入を決定
ドミニオンコーブポイント社への液化加工委託(約20年間、230万トン/年)、原料天然ガスの購入、LNGの販売を行う共同事業会社の設立について住友商事株式会社と今後協議
2.米国シェールガス開発事業への参加(2013年3月)
米国テキサス州バーネット堆積盆においてクイックシルバーリソーシズ社が保有するシェールガス開発事業の権益25%(権益持分相当のガス生産量:LNG換算で35万〜50万トン/年)の売買契約を締結
3.米国プロパン市場価格を指標とするLPGの購入(2013年2月)
米国産のLPG購入(2013年から6年間、合計約40万トン)についてアストモスエネルギー株式会社と合意し、東京ガスとして初めて米国プロパン市場価格を指標とするLPG導入を決定

(2)海外事業の推進
ブラジルにおけるエネルギーサービス事業への参加(2012年12月)

三井物産株式会社と東京ガス子会社の株式会社エネルギーアドバンスは、共同設立会社を通じて、天然ガスコージェネレーションシステム等を利用したブラジルの商業・産業向けエネルギーサービス事業者エコジェン社の全株式を取得
製造供給

(1)LNG基地の共同運用拡大による首都圏のエネルギー供給の安定化・効率化

東京電力株式会社との共同LNG基地において、LNG火力発電所向けに低発熱量LNGを使用し、都市ガス向けに高発熱量LNGを使用する運用を2013年4月から開始。都市ガス用LPGの受入低減と発電用LNGの受入拡大を行うことにより、首都圏のさらなる安定的・効率的なエネルギー供給を推進

(2)茨城県エリアを中心とした天然ガスインフラの整備

1.「日立LNG基地」、「茨城〜栃木幹線」
日立LNG基地:地盤改良工事を完了し、タンク・バースの土木工事を推進(2015年度稼働開始予定)
「茨城〜栃木幹線」:幹線から分岐し水戸地区向けの新たなパイプラインを建設することで東部ガス株式会社と合意し(2013年2月)、調査を開始
2.「古河〜真岡幹線」
古河〜真岡間のルート調査を完了し、基本ルート約50kmを確定。2013年度下期に着工予定(2017年度稼働開始予定)
3.「日立〜鹿島幹線(仮称)」
2020年までの早い時期の稼働開始を目指し、陸上ルート・海底ルートの2ケースで調査を開始

(3)地震・津波等の災害対策、保安の確保

1. 震災による二次災害の防止と早期のガス復旧を目的に「防災ブロック」を2012年度に179ブロックへ細分化(2018年頃に約200ブロックを目標)。あわせて、耐震性の高い地区における低圧ガスの供給継続性を確保するため、「高耐震ブロック」の供給停止判断基準を引き上げ(2013年4月)
2. 建屋の防水扉化など製造設備に対する都市型水害対策を2012年度に完了
3. 長期停電時のLNG基地の供給継続性を確保するため、緊急時ガス送出用設備及び自家発電設備の増強に着手(2016年度完了予定)
エネルギーソリューション

(1)分散型エネルギーシステム・ガス空調等の普及・拡大

エネルギーセキュリティ向上、電力ピークカット、省エネ・省CO2に対するお客さまニーズを受け、分散型エネルギーシステム・ガス空調等の普及・拡大を推進
価格低減、設置性向上、総合効率向上を実現した家庭用燃料電池「エネファーム」の新製品をパナソニック株式会社と共同開発し、販売開始(2013年4月)
開発実績・計画 2011年度実績 2012年度実績 2013年度計画
エネファーム 5,700台 7,600台 12,000台
コージェネレーション 5万kW 15万kW 22万kW
業務用ガス空調 14万RT 17万RT 18万RT

(2)地域冷暖房によるエネルギーの安定的・効率的供給

株式会社エネルギーアドバンスは、新宿地域冷暖房内の発電容量4,000kWのガスタービンコージェネレーションおよび専用送電線を使用し、3,000kWの電力を都庁舎に供給開始(2012年12月)
新宿と西新宿一丁目の両地域冷暖房の間で熱を融通する工事を実施し、エネルギーの面的融通を行うことにより更なる省CO2を推進(2013年5月から融通開始予定)

(3)電力事業の拡大
扇島パワーステーション3号機の建設

2015年度内の運転開始を目指し、2012年11月に設計を開始、2013年6月に着工予定

(4)LNG販売の全国展開

ローリー、内航船、外航船によるLNG販売を推進。北海道ガス株式会社とのLNG売買契約(2012〜22年度、約30万〜約40万トン/年)については2013〜15年度に数万トン規模を増量
2011年度実績 2012年度実績 2013年度計画
LNG販売 44万トン 60万トン 79万トン

(5)天然ガスの高度利用と燃料転換の推進

2012年3月の千葉〜鹿島ライン供給開始に伴い、2012年度に約5億m3の需要を開発、2013年度は約3億m3を開発し、累計で約8億m3に達する見込み

(6)スマート化の推進

1. 田町駅東口北地区で計画中のスマートエネルギーネットワークにおいて、気象データ等の外部情報および各建物のエネルギー利用状況を一括管理し、各空調機器等に最適運転指令を出すエネルギーマネジメントシステム「SENEMS(セネムス)」の開発に着手
2. 豊洲埠頭地区に計画中のスマートエネルギーネットワークにおいてエネルギー供給プラントの熱源機等を設計中。本プロジェクトはエネルギーの面的利用促進のための国土交通省の支援制度「先導的都市環境形成促進モデル事業」の第一号案件に認定(2012年12月)
3. 日本初となる都心部既存街区の地域電気供給事業を含み、都市防災機能を強化する「日本橋スマートシティ」プロジェクトにおいて、推進者の三井不動産株式会社とともにコージェネレーションシステム導入による再開発街区・既存街区全体の地域電気供給・熱供給事業を検討開始
4. 横浜市が主導する「横浜スマートシティプロジェクト」の住宅分野の取り組みとして磯子社宅のスマートアパートプロジェクトを推進。HEMSや省エネ行動促進の効果の検証とともに、複数の建物や非住宅需要まで含めたコミュニティ単位でのスマート化を検討
5. 「Fujisawaサスティナブル・スマートタウン」実現に向けて、住宅・ビルのメンテナンス、発電、電気の供給・売買、情報通信サービスの提供など街全体へのサービスの提供・運営を行う「Fujisawa SSTマネジメント株式会社」をパナソニック株式会社を始めとするパートナー企業とともに設立(2013年3月)
基盤強化

(1)ビジョン実現に向けた組織改正の実施

1. 茨城県および県内の各市町村の皆さまとの緊密な関係を築くため水戸市内に「茨城事業部」を新たに設置(2013年4月)
2. スマートエネルギーネットワークに関する国内外の動向の調査・分析、事業モデルの企画・開発、総合戦略の策定を行う「スマエネ推進部」を新たに設置(2013年4月)

(2)新たな人事制度の導入

社員一人ひとりの持ち味・強みをきめ細かに評価し、人材育成を一層促進するとともに、組織成果の最大化を追求する複線型人事制度を導入(2013年4月)
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