東京ガス株式会社(社長:岡本毅、以下「東京ガス」)は、東日本大震災以降、天然ガスに対する役割期待が一段と高まる中、天然ガスのトップランナーとして、お客さまや社会への提供価値を高め、国の経済発展、国民生活の向上に貢献していくという役割と責務を明示すべく、2020年に向けたグループの道筋として「チャレンジ2020ビジョン」を昨年11月に策定いたしました。ビジョンでは、LNGの調達から輸送、都市ガスの製造、供給、さらにはエネルギーに関するお客さまのさまざまな課題を解決するエネルギーソリューションの提供と続く一連の事業活動「LNGバリューチェーン」のさらなる高度化を目指しています。
ビジョン策定から間もなく1年が経過する中、これまでの主な取組みとしては、原料調達においては、2017年頃を目途に、シェールガスを含む米国産天然ガス由来のLNGを日本に輸入することを目指し、米国コーブポイントLNGプロジェクトからのLNG調達に関して、現地事業主であるドミニオンコーブポイントLNG社と協議を行っています。また、豪州プルートLNGプロジェクトからのLNG受け入れ開始(2012年6月)、マレーシアデュアLNGプロジェクトにおける新たなLNG売買契約に関する基本合意書締結(2012年8月)など、供給安定性、価格、柔軟性のバランスを確保しつつ、調達先等のさらなる多様化を進めています。あわせて、ベルギーにおける天然ガス火力発電所の株式取得、ペトロベトナムガス社との包括協力協定の締結など海外事業を推進しています。
製造・供給に関するインフラ整備において、「日立〜鹿島幹線(仮称)」については導管敷設ルートの選定をはじめとした実務的な検討を開始するとともに、「日立〜小名浜幹線(仮称)」については沿線需要動向の調査等を実施します。また、本年1月の「茨城〜栃木幹線」の建設工事着手に加え、「日立LNG基地」の建設予定地に関する売買契約を土地の所有者である茨城県と正式に締結(2012年6月)し、2015年度の稼働開始を目標に、7月に建設工事に着手しました。さらには、エネルギーセキュリティの一層の向上を図るべく、静岡ガス株式会社、国際石油開発帝石株式会社との間で、ガスの供給に支障をきたす可能性が生じた場合、既に接続されているパイプラインを活用して3社間で天然ガスを相互融通する体制を整えました(2012年6月)。
エネルギーソリューションでは、ビジョンで、国内発電事業を2020年までに300〜500万kW(他社持分含む)に拡大することを掲げており、その一環として、2015年度内の運転開始を目指し、「扇島パワーステーション」の3号機を建設することについて決定しました(2012年10月)。また、家庭用燃料電池「エネファーム」、コージェネレーション、ガス空調は今年度計画を達成する見通しであるなど分散型エネルギーシステムの普及・拡大を進めています。
東京ガスは、今後も「チャレンジ2020ビジョン」の実現を目指し、「LNGバリューチェーン」のさらなる高度化に努めてまいります。
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