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東京ガス立川ビルの建替による省エネルギーへの取り組みについて

東京ガス株式会社
平成24年9月27日
広報部

 

   東京ガス株式会社(社長:岡本毅、以下「東京ガス」)および東京ガス都市開発(社長:浜渦昭男、東京ガス100%子会社)は、立川市にある自社敷地内の複数の建物(以下「立川ビル」)を統合・整理し、地上5階建、約8,500m2の中規模事務所ビルへの建替を実施します。2013年6月に建物工事に着手し、2014年11月に竣工する予定です。
   建替にあたっては、再生可能エネルギーの活用、高効率な設備機器の採用、屋上緑化等の環境配慮を行い、同規模の一般的なオフィスビルと比較して、一次エネルギー消費量を約28%削減する見込みです※1。また、本建替計画はCASBEE(建築環境総合性能評価システム)新築※2において、当社では初めてとなる最高ランクのS認証を取得しました。
   さらに、今回の建替では、免震装置と制震装置を組み合わせ、地震被害を大幅に低減するシステムを導入し、建物の更なる安全性向上を図ります。
   建築主は東京ガス都市開発株式会社、設計は株式会社佐藤総合計画、施工は清水建設株式会社が実施します。

※1: 延床面積あたりの年間エネルギー使用量2,000MJ/m2の建物を想定。
※2: CASBEE(建築環境総合性能評価システム、Comprehensive Assessment System for Built Environment Efficiency)・・・建築物の環境性能で評価し格付けする手法で、「Sランク(素晴らしい)」から、「Aランク(大変良い)」「B+ランク(良い)」「B-ランク(やや劣る)」「Cランク(劣る)」という5段階の格付けが与えられます。東京ガスでは、東京ガス港北ニュータウンビル「アースポート」(横浜市都筑区)がCASBEE既築でSランクの認証を取得しています。

導入する省エネ・省CO2技術

1.再生可能エネルギーの利用

屋上に設置する太陽熱集熱パネルで集めた熱を用いて、ソーラークーリングシステム※3で冷暖房を行うほか、5階テラスの手摺に太陽熱集熱パネルを組込んだ太陽熱利用ガス温水システム「SOLAMO(ソラモ)」を設置して給湯および床暖房に利用します。屋上には太陽光発電パネルも設置します。
免震装置のための地下空間を利用して、外気を取り入れることで、冷房を行います。
エコシャフト※4最上部に設置した太陽光追尾採光装置(太陽高度に合わせて反射板を自動的に調整して常に安定した採光を行う装置)により、一日を通して最適な採光を行うとともに、エコシャフトを通して各階の執務スペースに自然光を取り入れ、照明用電力を削減します。
吹抜けで発生する上下温度差と自然の風を利用して、内部の熱を自然換気する自動開閉換気窓を吹抜けの最上部に設置し、春や秋の中間期における空調負荷の更なる軽減を行います。
トイレ洗浄水や屋上緑化の散水等には、ろ過した雨水を利用し、水資源の消費を削減します。
執務者に対するエネルギー使用状況の見える化を行い、省エネ意識向上を図ります。

2.高効率設備機器の導入

発電効率34%、総合効率85%の高効率ガスコージェネレーションシステムを導入し、廃熱はデシカント空調機※5やソーラークーリングシステムの補助熱源として利用します。また、コージェネレーションシステムにより、系統電力の停電時にも必要な場所に電気を送ることができます。
さまざまな能力のGHP(ガスエンジンヒートポンプ)を導入し、ソーラークーリングシステムの空調を効率的に補助するとともに、GHP23台のうち8台に発電機能付を採用することで、更なるピーク電力削減を実現します。
空調は床吹き出し方式のタスクアンビエント空調※6とし、在席者は足元の吹出口を開くことにより、床から直接吹き出す量を調節できます。また、社員食堂の厨房には置換換気システム※7を採用することで、効率的に厨房空間を空調・換気します。
照明については、LED等の高効率照明を採用し、明るさセンサー、人感センサーで制御することで照明電力を削減します。

3.外部熱負荷低減

西側窓の外側に遮光ルーバーを設置して熱の侵入を調整し熱負荷の低減を行います。また、断熱ガラスの採用、屋上緑化によって建物外部から内部への熱負荷を低減します。
※3: 集熱パネルで集めた太陽熱を、夏期は太陽熱利用のために開発された専用のナチュラルチラー(吸収式冷温水機)を用いて冷房に利用し、冬期は暖房熱交換器により暖房に利用するシステム。
※4: 採光と換気のために建物内に設置された縦方向のダクト。
※5: 吸着剤(デシカント)により除湿が可能な空調機。水分を吸着した吸着剤を再生するために熱が必要になる。
※6: 室内を執務者が存在するエリア(タスク)とその周辺(アンビエント)に分け、アンビエントの空調条件を緩和することによりエネルギー消費を削減する空調方式。
※7: 厨房機器から離れた所に空調の吹出し口を設け低風速で吹き出すことで、厨房機器から発生する上昇気流を乱さず、熱や調理排気をレンジフードで効率的に排気するシステム。

主要省エネ設備

名称 能力等
ソーラークーリングシステム パネル面積約130m2、冷房能力150RT※8
太陽熱利用ガス温水システム「SOLAMO」 集熱面積約4.4m2
コージェネレーションシステム 発電出力35kW×2台
デシカント空調機系統空調システム 冷房能力120kW、暖房能力140kW
高効率GHP 発電機能付8台、発電機能なし15台
太陽光発電パネル 5kW
太陽光追尾採光装置 太陽を追尾して室内に最適採光
自動開閉換気窓 上下温度差と自然の風を利用して自然換気
※8: RT(冷凍トン)は、物体を冷却する能力に用いる単位で、1RTは0℃の水1トンを、24時間で0℃の氷にする能力。

建替計画概要

計画地 東京都立川市曙町3丁目6番13号敷地内
竣工 2014年11月
延床面積 8,519.47m2
階数 地上5階
用途 事務所

東京ガス立川ビル建替後 外観イメージ

東京ガス立川ビル建替後 外観イメージ

東京ガス立川ビル建替後 内部設備イメージ

東京ガス立川ビル建替後 内部設備イメージ
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