東京ガス株式会社(社長:岡本毅、以下「東京ガス」)は、経済産業省が推進する「次世代エネルギー・社会システム実証事業」の一つである「横浜市スマートシティプロジェクト」の一環として、集合住宅版スマートハウス実証試験(以下「本実証試験」)を本年4月から開始いたします。
本実証試験は、東京ガスの社宅として、横浜市磯子区に新たに建設する地下1階・地上4階建ての集合住宅(24戸)に、家庭用燃料電池「エネファーム」、太陽熱利用ガス温水システム「SOLAMO(ソラモ)」、太陽光発電装置等の分散型エネルギーシステムを最大限に導入し、かつ住棟全体で熱・電気を融通することで、低炭素化と可能な限りのゼロ・エネルギー化を目指すものです。初年度は、同等の標準的な集合住宅と比較して約4割の一次エネルギー削減と約3割のCO2削減を見込んでいます※1。
東京ガスは、2010年8月から本実証試験に関する建物や設備の設計、ならびに建設工事を行なっておりましたが※2、このたび建設工事が完了したことに伴い、3月下旬から入寮を開始し、4月から実証を始めるものです。
東京ガスは、「チャレンジ2020ビジョン」で、エネルギーを賢く使う「スマート化」の推進を掲げており、今後も天然ガスをお使いいただくすべてのお客さまに、環境に優しく、安心で豊かな生活を実現していただくことを目指します。
(1)省エネ効果の確認 |
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「作り手」による工夫
家庭用燃料電池「エネファーム」、太陽熱利用ガス温水システム「SOLAMO(ソラモ)」、太陽光発電装置等の分散型エネルギーシステムを最大限に導入し、それらのシステムが生み出す熱や電気のエネルギーを「統合制御システム」で管理し、住棟内で融通します。さらに、自然の風や光を活かすパッシブ設計の住戸で効率的にエネルギーを利用し、集合住宅を提供する「作り手」の工夫が生み出す省エネ効果を確認します。 |
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「住まい手」による省エネ行動の促進 集合住宅に住まう「住まい手」に家庭用エネルギー管理システム(HEMS:ホームエネルギーマネジメントシステム)※3を通して、各住戸のエネルギー使用量を前日との比較や、住棟内におけるランキング形式などで伝えます。あわせて、インセンティブを伴った省エネ行動を提案し、「住まい手」に対する省エネ行動の促進効果等を確認します。 |
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(2)エネルギーセキュリティの検証 |
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家庭用燃料電池「エネファーム」や蓄電池を活用し、停電時でも、各住戸の一部の照明など最低限必要な設備への電力供給を継続できる仕組みを作り、集合住宅におけるエネルギーセキュリティを検証します。また、地域のエネルギー供給安定化に貢献すべく、「横浜市スマートシティプロジェクト」で構築する地域エネルギーマネジメントシステムとの連携を行ないます。 |
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※1 |
3人家族世帯において、従来給湯器および系統電力を利用した場合との比較です(電力CO2排出原単位は、0.69kg-CO2/kWh、都市ガス(13A)CO2排出原単位は2.29kg-CO2/m3Nを使用)。 |
※2 |
計画時の発表内容については、2010年8月11日東京ガスプレスリリースをご参照下さい。(http://www.tokyo-gas.co.jp/Press/20100811-01.html) |
※3 |
家庭用エネルギー管理システム(HEMS)とは、情報通信技術(ICT)を用いて、家庭内の熱・電気の需要と供給を見える化し、適切な管理を行うシステムです。 |
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