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東京ガス 都市生活研究所が都市生活レポートを発行
『浴槽入浴・ミストサウナ浴の疲労回復効果』
〜毎日の入浴で体も頭もスッキリ〜

東京ガス株式会社
平成23年10月13日
広報部

 

東京ガス株式会社(社長:岡本 毅、以下「東京ガス」)都市生活研究所では、このたび、都市生活レポート「浴槽入浴・ミストサウナ浴の疲労回復効果〜毎日の入浴で体も頭もスッキリ〜」を発行しました。
疲労は現代人の多くが感じる健康上の悩みであり、疲れをとるための方法の一つとして、「入浴」は広く認識されています。都市生活レポート「現代人の入浴事情2009」(2009年6月発行)の調査でも、「体の疲れがとれる」ことは浴槽入浴に期待する項目の第一位(92.9%)であり、また浴槽入浴で「効果を感じている」項目としても第三位(89.1%)と上位にあげられています。
そこで、経験的にいわれている「入浴による疲労回復効果」が、入浴方法によってその効果に違いがあるのか、「浴槽入浴」「シャワー入浴」「ミストサウナ浴」それぞれの疲労回復効果を明らかにするために身体的疲労と精神的疲労の両側面から実験を行い、結果をレポートにまとめました。

* 本研究は千葉大学大学院工学研究科人間生活工学研究室(勝浦哲夫教授、下村義弘准教授、李スミン特任助教、石橋彰吾氏)との共同研究で実施。

結果の要約

■実験Ⅰ【身体的疲労回復実験の結果】

体の疲労回復には、体を温める効果が高い「浴槽入浴」が最も効果的であることが明らかになった。また、「浴槽入浴」と同等以上に温熱効果が高い「ミストサウナ浴」も体の疲労回復に効果が期待できる可能性が示唆された。

・浴槽入浴後には筋疲労が回復

浴槽入浴は、筋疲労の指標である筋電図の徐波化が、入浴を行わない場合に比べて入浴終了後に有意に回復する事がわかった。

・筋疲労の回復と入浴の温熱効果には相関が見られる

浴槽入浴はシャワー入浴に比べ温熱効果が高い事が筋疲労の回復に影響していると考えられる。ミストサウナ浴は、浴槽入浴と同等以上に温熱効果が高い入浴法であり、筋疲労の回復にも効果が期待できると考えられる。

■実験Ⅱ【精神的疲労回復実験の結果】

脳の疲労回復には、体を温める効果が高い「浴槽入浴」「ミストサウナ浴」が効果的であることが明らかになった。特に「ミストサウナ浴」は入浴後に注意力や判断力向上が期待できる。

・ミストサウナ浴後には注意力や判断力が向上

ミストサウナ浴後は、注意力の大きさを示すP300振幅が入浴を行わなかった場合に比べ増加、また、判断の速さを示す潜時はシャワー浴に比べて短縮し、どちらも有意傾向が見られた。

・浴槽入浴後およびミストサウナ浴後に脳の疲労が蓄積しにくくなる。

浴槽入浴後及びミストサウナ浴後は、脳の疲れの指標であるフリッカー値が、入浴前のタスクによる低下度合いよりも入浴後のタスクによる低下度合いが小さくなり、入浴を行わない場合に比べ、浴槽入浴後は有意な差が、ミストサウナ浴後は有意傾向が見られた。

【実験概要】

■実験Ⅰ【身体的疲労回復】

(1) 実験期間 2010年6月〜7月
(2) 被験者 20代男性10名
(3) 実験環境 浴室:天井にミストサウナを設置した浴室   前室:室温27℃
(4) 入浴条件(各入浴時間は10分)
  ・浴槽入浴 湯温40℃、肩まで湯に浸かる
  ・シャワー浴 湯温40℃(体にあたる湯の温度)、湯量10ℓ/分
顔から下の体全体に均一に湯を浴びる
  ・ミストサウナ浴 室温40℃設定 *ただし、実験Ⅰについては、実際にはその平均は39.4℃と少し低めであった
  ・コントロール 入浴なし *コントロール条件は、部屋間の移動のみを行い、室温にて過ごす
(5) 実験タスク ○筋疲労タスク   ○テスト収縮
(6) 実験手順 被験者は前室で安静にした後に、筋疲労タスクを行い上腕二頭筋を疲労状態にした。その後、各入浴条件での入浴を10分間行った。入浴終了後は前室で実験用椅子の上で20分の安静をとった。実験の間、被験者は一定負荷のテスト収縮を行った。
(7) 測定項目 (1)体温:体の温まりの指標 (2)皮膚血流量:体の放熱の指標
(3)筋電図平均周波数:筋疲労の指標 (4)主観評価

■実験U【精神的疲労回復

(1) 実験期間 2010年10〜11月
(2) 被験者 20代男性9名
(3) 実験環境 実験Ⅰと同様
(4) 入浴条件 実験Ⅰと同様
(5) 実験タスク ○精神疲労タスク   ○オドボールタスク
(6) 実験手順 被験者はまず前室で精神疲労タスクを行い、眼や脳を疲労状態にした。精神疲労タスクの前後でオドボールタスク及び事象関連電位P300の計測、フリッカー値、近点距離の計測を行った。その後、被験者は各入浴条件で10分間の入浴を行った。入浴終了後、被験者は前室の椅子に戻り、入浴前と同様にタスクを行い、各測定項目を計測した。
(7) 測定項目 (1)体温:体の温まりの指標 (2)事象関連電位P300:注意力や判断力の指標 (3)フリッカー検査:脳の疲労の指標
(4)調節近点距離:眼の疲労の指標 (5)タスクパフォーマンス

※本レポートは東京ガス都市生活研究所ホームページからダウンロードできます。
http://www.toshiken.com/report/

以上
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