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初期費用を半減した業務用向け「太陽熱利用給湯システム」の商品化について
〜国内初のユニット連携型太陽熱利用給湯システム〜

東京ガス株式会社
株式会社エネルギーアドバンス
平成22年11月9

 

   東京ガス株式会社(社長:岡本毅、以下「東京ガス」)、株式会社エネルギーアドバンス(社長:三浦千太郎、東京ガス100%出資子会社、以下「ENAC」)および矢崎総業株式会社(社長:矢崎信二、以下「矢崎総業」)は、福祉施設、スポーツ施設および学校などの業務用のお客さまを対象に、太陽熱を利用した給湯システムで、従来に対し機器費、工事費を含めた初期費用を半減した「業務用太陽熱利用給湯システム」(以下「本システム」)を共同で開発し、2011年1月から販売開始を予定しています。

   本システムは、屋上などに設置した太陽エネルギーを集熱するパネルから得た熱で蓄熱部にて給水を予熱し、さらに希望する給湯温度まで業務用ガス給湯システムが加熱します。再生可能エネルギーである太陽熱を優先的に利用し、天候や給湯負荷により熱が不足する時もガス機器がバックアップするため、湯切れの不安もなく、利便性・快適性、環境性を両立させた給湯システムです。本システムは、2m2の集熱パネルを5枚並べた10m2の集熱部と、容量200Lの蓄熱部を1台ずつ組み合わせ、一つの太陽熱ユニットとして規格化しました。集熱パネルの設置可能面積やお客さまの給湯負荷量によって、10ユニット(集熱面積100m2、容量2,000L)まで、各太陽熱ユニットを連携して接続することができます。なお、太陽熱ユニットごとを連携したシステムの開発は、日本で初めてとなります※1

本システムの特長

(1)太陽熱を利用することにより省エネ・CO2排出量を削減
   本システムは、1ユニット当りの年間太陽熱利用熱量が16.0GJ、年間CO2削減量が約0.95トン見込めます。お客さまの年間給湯負荷量が503GJ(延べ床面積3,000m2程度の病院を想定)で、太陽熱ユニットを6ユニット導入したケースでは、約18%の省エネ効果となり、CO2排出量を年間約5.7トン削減します※2

(2)これまでの太陽熱利用給湯システムと比べて初期費用半減を実現
   これまで業務用の太陽熱を利用した給湯システムは、設置場所に合わせて個別に設計・施工を行うため、集熱面積あたりの機器費および工事費が割高となっておりました。本システムは、太陽熱ユニットとして規格化することや樹脂製の配管を用いることで、システム設計費用の削減、施工を簡素化・標準化することが可能となりました。また集熱部は、集熱パネルの傾斜角度を5°とすることで、設置時の風圧力を低減し、基礎重量の軽量化や安価な固定方法を採用することができました。さらに集熱パネルと架台を工場で一体化させ、4tトラックで30m2分の集熱部を一度に運ぶことができるため、機器の輸送費を抑えました。一方、蓄熱部は、家庭用の蓄熱タンクと同じサイズにして、タンクの搬入および設置を容易にしました。これらにより、機器費・工事費含めた本システム設置時の初期費用を従来システムから半減※3しました。

(3)品質の向上
   本システムは、集熱部および蓄熱部を工場で製作するため高い品質を確保し、標準化した施工方法により施工品質を安定させました。

(4)システムの『見える化』
   最大10ユニット(100m2)までの太陽熱の利用状況を、まとめて1台で表示できる「エコモニタ(オプション販売)」により、省エネ・省CO2効果の『見える化』を実現しました。

   本システムの開発に当っては、矢崎総業が機器類の開発を、ENACおよび矢崎総業が施工面の開発を、東京ガスが性能試験を担当しました。

東京ガスの取り組み

   東京ガスは、本年6月に最大16m2の集熱パネルを設置する「小規模業務用の太陽熱利用温水システム『SOLAMO(ソラモ)』」を、株式会社ノーリツ(社長:國井総一郎)と共同で開発しましたが、このたびのシステムの開発により、より規模の大きい業務用のお客さまに対しても、太陽熱を利用したシステム提案を行うことが出来るようになりました。また家庭用においては、本年2月に「新築集合住宅向けの太陽熱利用ガス温水システム『SOLAMO(ソラモ)』」を、本年10月に「新築および既設に対応できる戸建住宅向けの太陽熱利用ガス温水システム『SOLAMO(ソラモ)』」の販売を開始しております。

太陽エネルギーは枯渇することがなくCO2を排出しないエネルギーであり、なかでも太陽熱は、太陽光発電と比べてエネルギー変換効率が高く、給湯や空調の熱として利用することに適しています。東京ガスグループは、「2009年度−2013年度グループ中期経営計画」において、重点取り組み策の一つとして「Eco-friendly(環境を機軸とした価値創造)」を掲げており、今後とも再生可能エネルギーを利用した環境対応型システムの開発・普及拡大を目指してまいります。

※1 東京ガス調べ。
※2 集熱パネルを南向き5°設置、都市ガス1m3の熱量を45MJ、熱源機効率を80%、ガスCO2排出係数を0.0509kg-CO2/MJ、電力CO2排出係数(火力電源係数)を0.69kg-CO2/kWhとし、消費電力量を考慮した試算値。
※3 基礎工事の仕様などによっても、価格は上下します。

システム構成図

システム構成図

システムイメージ図

システムイメージ図

主要機器の仕様

機器一式     集熱部、蓄熱部、エコモニタ

(1)集熱部
種類
平板型
集熱面積※4
10〜100[m2] (1〜10ユニット※5
傾斜角度
外形寸法※4
1台当り 幅5,400×奥行2,172×高さ385[mm]
質量※4
316.5[kg](満水時329.0[kg])
凍結対策
不凍液使用(プロピレングリコール)
※4 10[m2]/1集熱部(パネル5枚)の場合です。
  6[m2](パネル3枚)、8[m2](パネル4枚)タイプも別途用意する予定です。
※5 集熱部と蓄熱部を1台ずつ組み合わせて、1ユニットとなります。
(2)蓄熱部
蓄熱容量
200〜2000[L](1〜10ユニット※5
外形寸法
1台当り 幅615×奥行492×高さ1,765[mm]
質量
1台当り 63.0[kg](満水時271[kg])
(3)エコモニタ
外形寸法
縦幅123×横幅140×厚さ23[mm]
通信仕様
RS-485
主なモニタ機能
太陽熱集熱量、ガス削減量、CO2削減量

主要機器外観

集熱部(試作機)、蓄熱部(3ユニット連携の近景)、エコモニタ

集熱部の搬入イメージ

4tトラックへの積載状態。運送トラックから屋上に

会社概要

矢崎総業株式会社
(1) 本社 東京都港区三田1-4-28 三田国際ビル17F
(2) 連絡先 053(426)3815
(3) 資本金 31億9,150万円
(4) 代表者 矢崎信二
(5)事業内容 自動車部品および生活環境機器の研究・開発・設計・製造・販売、新規事業の展開
以上
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