■東京ガスを取り巻く経営環境と東京ガスの戦略
一昨年の米国金融危機に端を発した景気低迷の影響を受け、東京ガスの利益のベースであるガス販売量は2年連続で前年度実績を下回る見込みです。今年度は増加に転じると予想しておりますが、なお予断を許さない状況です。
こうした中で、日本のエネルギー産業は大きな変革期を迎えています。民主党を中心とする現政権は、「温室効果ガスを2020年までに1990年比で25%削減する」という目標の達成に向けて、地球温暖化対策基本法の制定を始め、エネルギー産業の根幹に関わる政策についての議論を積極的に進めています。今後は2020年、あるいはさらに先までも見据えて、石油、電力、ガスといったエネルギー産業のあり方そのものが議論の俎上に乗ってくることも予想されます。
このように、エネルギーを取り巻く環境は劇的に変化しつつありますが、天然ガスの重要性は決して変わるものではありません。
低炭素社会を目指す中で、再生可能エネルギー利用にはまだ多くの制約があり、石油、石炭、天然ガスといった化石エネルギーが、わが国のエネルギー供給において、今後とも非常に重要な位置を占めることは明らかです。
天然ガスは、化石エネルギーの中で圧倒的な環境優位性を持つとともに、高い供給安定性と利便性を有する優れたエネルギーであり、天然ガスの普及拡大を図ることで、低炭素社会の実現に大きく貢献することができるのです。
今後は、天然ガスと再生可能エネルギーを融合させた高度利用や、地域ごとにエネルギー供給を最適化するスマート・エネルギー・ネットワークの構築などによって、より大きな価値をお客さまに提供することを目指します。その先には、水素を核とするエネルギー・ネットワークまで視野に入ってくるのです。
東京ガスは、2009年度〜2013年度グループ中期経営計画で掲げる「天然ガスをコアとした総合エネルギー事業」の推進により、「個々のお客さまの豊かな生活」と「地域社会の発展」、さらには「国のエネルギー政策の推進」に貢献していくことができるのです。
■心がけてほしいこと
1点目は、仕事を進める上で、「謙虚さ」と「熱意」の両者を併せ持つことです。「謙虚さ」とは、素直な気持ちで人の言葉や考えに耳を傾け、歴史上の出来事や社会事象などからも何かを学び取ろうという姿勢のことであり、「熱意」とは、物事を動かし、やりぬこうとする燃えるような意欲のことです。「熱意」なき「謙虚さ」は単なる「消極性」と変わらず、「謙虚さ」なき「熱意」はいたずらな「暴走」を招くことになりがちです。「謙虚さ」と「熱意」の2つがバランスよく備わった社会人になってほしいと思います。
2点目は、「自分の頭で考えること」の徹底です。事業環境の劇的変化の中において、外部情報の無批判な受け入れ、人の考えの受け売り、受動的な指示待ちの姿勢では建設的な仕事はできません。自分の目で見て、心で感じて、頭で考え抜き、行動することが、皆さん自身を成長させ、仕事だけでなく、一人の社会人として実り多い人生を送ることにつながっていくものと確信しています。
以上
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<参考> 平成22年度新入社員数 |
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平成22年度 |
平成21年度 |
大学卒 |
文系 |
35(6) |
37(12) |
理系 (高専卒含む) |
67(13) |
52(13) |
短大卒 |
−(−) |
−(−) |
高校卒 |
164(3) |
110(3) |
合計 |
266(22) |
199(28) |
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()内は女子で内数
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