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生活トレンド予測レポート「ハピシェア 〜シェアするというしあわせの形〜」の発行について

東京ガス株式会社
平成21年8月4日
広報部

 

東京ガス株式会社(社長:鳥原 光憲、以下「東京ガス」)都市生活研究所では、このたび、生活トレンド予測レポート「ハピシェア〜シェアするというしあわせの形〜」を発行しました。

都市生活研究所(http://www.toshiken.com/)は、1986年社内シンクタンクとして設立されて以来、都市で生活する人々が求める今後の暮らしについて調査研究をかさね、情報発信をしてまいりました。研究分野は入浴、料理、暖房、住まいのあり方、環境意識など、生活者の日々の暮らし全般にわたり、さまざまな角度から調査研究を行うことで、これからの豊かなライフスタイルの方向性や具体的な提案を行っています。
今回は、2008年に行った「都市生活者の意識・行動観測(通称:生活定点観測)」調査(*1)の結果を踏まえ、生活者の暮らしをより豊かにする未来のライススタイルを予測し、レポートにまとめました。

 

生活トレンド予測レポート「ハピシェア 〜シェアするというしあわせの形」

背景と内容要旨

近年、サービス業の伸展やインターネット環境の発達などによって、比較的容易に一人で完結した生活を送れる社会が実現してきている。しかし、その一方で、近年、「家族」が再び注目されるなど、個人化とは別の傾向が現れるようになった。
都市生活研究所で行った「生活定点観測調査2008」の結果からも同様の傾向がみえ、生活者の行動・意識は、一様化(生活者ごとの差が小さくなっている)と中庸化(強いニーズが見えにくくなっている傾向)が浮かび上がってきた。そのなかで、生活者の求める「より良い暮らし」の方向として「家族仲良く」「省力化・簡便化」「環境配慮」の3つのキーワードが浮かび上がってきた。
そこで、新たにこれらの3つのキーワードをもとに、定量調査、定性調査、ヒアリング調査を行い、生活者が求めるライフスタイルトレンドをより具体的に予測した。その結果導き出されたライフスタイルは、「シェア(共有)=一緒に〜すること」。
具体的には、家族や友人とは、体験や一体感を共有してより「楽しく」、他人とは共有することでお金や手間を省いて「お得」に、社会では目的を共有して「役に立つ」活動をしたい。一人で行うよりも、家族や他の人々と共有する事で、より大きな満足感や充実感を得られるライフスタイルを求めていることがわかった。
これは、「個人化」が進むに伴い、人との関係においても「個人」が選択したネットワーク的なつながりが重要となり、その中で「一緒に〜する」こと、モノや体験や場を共有することが見直された結果といえよう。
一人で行うよりも、家族や他の人と共有することで、より大きな満足感が得られるライフスタイル、これをシェアしてハッピーになる=ハピシェアと名づけた。
ハピシェアの特徴は、あくまでも自分で共有する場面や、共有の仕方を選べること。自分から「一緒に〜する」機会を選んでいくことで、無理せずお互いに我慢を強いない関係を保ちながら、「楽しい」「お得」「役に立つ」といった満足を得ることができる。

レポートの調査結果と概要

●調査概要
[定量調査]
 
・調査対象:一都三県在住の20〜70代の男女計2,200名
・調査方法:インターネット調査      ・調査時期:2009年2月
[定性調査]
 
・調査対象:一都三県の
  (1)子どものいる30〜40代の女性
  (2)既婚の子どもがいる60歳以上の女性 の2グループ 各6名 計12名
・調査方法:座談会形式      ・調査時期:2009年2月
[ヒアリング調査]
 
有識者への個別インタビュー調査
  東 浩紀氏(批評家・東京工業大学世界文明センター特任教授)
  江口惠津子氏(建築家・(株)ヴェルディッシモ代表取締役)
  河上多恵子氏(団塊世代研究家・「暮らしインスティチュート」主宰)
  秋山里美氏(フードデザインすぷらうと・管理栄養士)
調査時期:2008年11月〜12月
●レポート概要(別紙)
体験を共有して、楽しく 〜家族・友人編〜
 
「楽」<たのしい>ためのハピシェア
 
「楽しいこと」を家族で一緒に行うことで「より楽しく」
誕生日やクリスマスなどを家族で祝うことは当然のこと
同居してない家族も一緒に行うことでより楽しく
お互いに干渉しすぎず、好きなときだけ共有したい
携帯電話の家族割引きも利用し、いつでもつながっていたい
 
家族のハピシェアは「食」が中心
イベントは、おうちで、手作りの料理を囲んで
「みんな一緒」を感じられるキッチンが求められている
体験の共有が一体感、思い出につながる
 
友人・知人とのハピシェアは程よい距離感で
干渉しすぎずに楽しいことを一緒に行う友人関係が理想
SNS(ソーシャルネットワークサービス)は人とつながる楽しさを共有できるコミュニケーションの場
ブログは自己表現から新たな共有を生む場
モノや空間を共有して、お得に 〜他人編〜
 
「得」<おトク>がメリットのハピシェア
 
経済メリットと手間の軽減が2大目的
他人と何か共有したい理由第1位は、経済メリットが得られること
理由第2位の手間の負担軽減は、時間の節約にもつながる
 
好きなときにいつでも、自分都合で共有に参加したい
利用者主導(好きなときにいつでも)のシェアリングサービスは利用意向が高い
 
「お得」なだけでなく、「環境にいい」ことも共有の理由に
経済的であるとともに、環境に優しい循環型社会の実現に貢献する点が有効
目的を共有して、役に立ちたい 〜社会編〜
 
ハピシェアで、「役に立っている感」を得る
 
環境にいいことや地域活動などで役に立ちたい
「地球環境」「エコ」を意識した取り組みには、7割以上が共感
社会と理想的なつながり方は「役に立つ」
女性は特に地域活動への参加意向が高い
 
つかず離れず・干渉されない関わり方で貢献したい
好きな時に好きなだけ参加し、社会で役に立っている感を得たい
生活者が求める「家族」「他人」「社会」との理想的な共有の仕方
 
共有=「一緒に〜する」というライフスタイルで人々は結びつく
 
ただし、望まれているのは、干渉されず、無理をせず「好きなときに好きなだけ」共有できること
生活定点観測調査の結果から得られたキーワード「家族仲良く」「省力化・簡便化」「環境配慮」を取り入れ、より良い暮らしにつながるライフスタイルがハピシェアである。家族とより楽しく、ムダを省いてお得に、環境貢献で役に立つ。<楽><得><役>は組み合わせることでさらに生活者に満足やメリットを与えることもできる。
先行きへの不安感に社会全体が包まれているような状況の中で「ハピシェア」と、<楽><得><役>のキーワードに注目することが、生活者の潜在ニーズを掘り起こすヒントにつながると考える。
(*1)「都市生活者の意識・行動観測(通称:生活定点観測)」調査は、1990年を始点に、3年ごとに実施し、2008年度が7回目になります。食・住を中心に暮らし全般にわたる約500の質問から構成されています。2008年の調査結果をまとめた生活定点観測レポート「Uni時代の生活キーワード」を2009年3月に発行しました。

別紙

ハピシェア =「みんなで共有(シェア)してよりハッピーに」を生活に取り入れている実態や、共有(シェア)に関する意識を調査しました。レポート内容の一部をご紹介いたします。

家族と、友人と、他人と、社会と、ハピシェア
家族・友人:より「楽しい」と感じるために、体験や一体感を共有したい…<楽>
他人:「お得」(経済的・手間の軽減)のために、他人とも共有したい…<得>
社会:何か「役に立つこと」(社会貢献・環境配慮)を行う目的を共有したい…<役>
データ抜粋
家族・友人:同居家族とはもちろん、普段同居していない家族や親族とお誕生日を祝うことも珍しくありません。家族でのイベントは、家で、手作りの料理を囲んで行われます。食の場面の共有が、家族の一体感を増す「ハピシェア」になっています。
社会:「社会の中で役に立ちたい」と思う人が多くなっています。環境のための活動など共通の目的を持って活動することで、より「役に立っている」感を得ることができます。目的のハピシェアが「貢献」や「参加」の意識を高めます。
他人:カーシェアリングなど、所有せずに共有して使うサービスが話題になっています。
他人との共有のメリットは、「お得」であること。お金や手間を省くことができ、さらに環境にも良い「シェア」に、関心を持つ人は少なくありません。
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