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「集合住宅用太陽熱利用給湯システム」の商品化について

東京ガス株式会社
平成21年5月18日
広報部

 

 東京ガス株式会社(社長:鳥原光憲、以下「東京ガス」)は、矢崎総業株式会社(社長:矢崎信二、以下「矢崎総業」)、三協立山アルミ株式会社(社長:川村人志、以下「三協立山アルミ」)、リンナイ株式会社(社長:内藤弘康、以下「リンナイ」)、株式会社ガスター(社長:中西誠一、以下「ガスター」)と共同で「集合住宅用太陽熱利用給湯システム」(以下「本システム」)の開発を行い、2010年2月の商品化を目指します。

本システムの仕組み

 本システムは、集合住宅のバルコニーの手すりに設置した集熱パネルで太陽エネルギーを集め、給湯やお風呂のお湯張りに利用するシステムです。太陽エネルギーを集熱パネルで熱媒※1に吸収し、その熱媒を集熱循環ポンプで循環させて貯湯タンク内の水を温めます。集熱量が足りないときには、併設した潜熱回収型高効率給湯器「エコジョーズ※2」で加熱をします。太陽エネルギーの集熱量は天気等によって変動しますが、瞬間的に必要なお湯をつくることができるガス給湯器と組み合わせることで、いつでも快適にお湯をお使いいただくことができます。「エコジョーズ」と太陽熱を組み合わせたバルコニー設置型システムの商品化は日本で初めてになります。
 集熱パネルは通常、屋根傾斜角度に応じて設置しますが、本システムでは、集合住宅の限られたバルコニー面積や建物の外観に配慮して垂直に設置します。給湯のための熱需要が大きい冬期には太陽高度が低く、集熱量が増加する特徴があります。
 また、集熱循環ポンプの駆動のために太陽電池を装備しているため、天気がよいときに自動的に太陽エネルギーを集める仕組みになっています。
※1 熱媒:熱を間接的に伝えるための媒体。本システムは熱媒に不凍液を使用しています。
※2 エコジョーズ:これまで排熱として捨てていた熱を効率的に回収することにより、給湯効率が従来の80%から95%まで向上した高効率給湯器。

太陽熱利用給湯システムに対するこれまでの取り組み

 東京ガスでは、2007年度から2008年度まで独立行政法人建築研究所(理事長:村上周三)と共同で国土交通省先導技術開発助成事業※3を受託し、手すりと一体化した太陽熱利用給湯システムを試作し、年間集熱性能の評価を行いました。その結果、集熱パネルを垂直に設置した場合でも、4人家族のお客さまの給湯使用量※4の11%程度を太陽熱で賄えることを確認しました。この場合、従来給湯器と比較して年間のガス使用量および二酸化炭素排出量を25%程度削減できます。
※3 国土交通省先導技術開発助成事業:環境問題等の住宅政策上緊急に対応すべき政策課題について、先導的技術の導入により効果的に対応するため、先導的技術の開発とその技術を用いた住宅等の供給の促進を目的に、技術開発を行う民間事業者等に対して国が支援を行う事業。東京ガスと独立行政法人建築研究所は共同研究課題「次世代型ソーラー給湯システムに関する技術開発」を受託しました。
※4 戸建住宅の4人家族を対象とした、40℃換算で1日あたり平均450リットル程度の標準的な給湯使用量(修正M1モード)

今後の取り組み

 今後は、国土交通省先導技術開発助成事業の成果を踏まえ、集熱パネルの更なるデザイン性の向上、バルコニーにおける設置性の向上、太陽熱の利用状況がひと目でわかるリモコンの開発を中心に改良を加え、商品化を行います。
 商品化にあたっては、矢崎総業が集熱パネルの開発・製造を、三協立山アルミが手すりの開発・製造を、リンナイおよびガスターが共同で貯湯ユニットの開発・製造を行い、東京ガスが仕様検討・設置施工性評価を行います。

システム構成図

システム構成図

システム外観写真(試作機)

システム外観写真(試作機)

商品の主な仕様

集熱器面積 約3m2
タンク容量 約100L
熱源機 潜熱回収型24号給湯暖房機「エコジョーズ」
(太陽熱利用の対象は給湯・お湯張りのみ)

「リジェネレーション・建築再生展」での展示

 平成21年5月20日(水)〜22日(金)に東京ビッグサイトで開催される「リジェネレーション・建築再生展」において、本システムの試作機を独立行政法人建築研究所と共同出展いたします。
日 時:平成21年5月20日(水)〜22日(金)10:00〜17:30(最終日は17:00まで)
場 所:東京ビッグサイト 東1ホール
主 催:リジェネレーション・建築再生展組織委員会
 東京ガスは、2009年度〜2013年度グループ中期経営計画において、「環境を機軸とした価値創造(Eco-friendly)」を重点課題のひとつとしています。
 地球温暖化防止対策として二酸化炭素排出量の削減が強く求められる中、再生可能エネルギーの利用、中でも資源量の多い太陽エネルギーには大きな期待が寄せられています。太陽熱利用は、太陽電池に比べてエネルギーの変換効率が高く、省エネルギーや二酸化炭素排出量削減の観点からその利用拡大が強く望まれています。このような背景を踏まえ、東京ガスは、高効率機器の普及促進や再生可能エネルギーの積極的な採用を通して、家庭部門の二酸化炭素排出量削減を推進し、低炭素社会の実現に貢献してまいります。

会社概要

1. 矢崎総業株式会社
 
(1)本 社 東京都港区三田1-4-28 三田国際ビル17F
(2)連絡先 053(426)3815
(3)資 本 金 31億9,150万円
(4)代 表 者 矢崎信二
(5)事業内容 自動車部品および生活環境機器の研究・開発・設計・製造・販売、新規事業の展開
2. 三協立山アルミ株式会社
 
(1)本 社 富山県高岡市早川70番地
(2)連絡先 0766(20)2332
(3)資 本 金 283億9,900万円
(4)代 表 者 川村人志
(5)事業内容 ビル用建材、住宅用建材、エクステリア建材の開発・製造・販売、アルミニウムおよびその他金属の圧延加工品の製造・販売
3. リンナイ株式会社
 
(1)本 社 愛知県名古屋市中川区福住町2-26
(2)連絡先 052(361)8211
(3)資 本 金 64億5,974万円
(4)代 表 者 内藤弘康
(5)事業内容 熱エネルギー機器の開発・製造・販売
4. 株式会社ガスター (持株比率 東京ガス:66.7%、INAX22.2%、リンナイ11.1%)
 
(1)本 社 神奈川県大和市深見台3-4
(2)連絡先 046(262)0161
(3)資 本 金 24億5,000万円
(4)代 表 者 中西誠一
(5)事業内容 給湯事業・TES事業・住設商品事業・空調事業
5. 東京ガス株式会社
 
(1)本 社 東京都港区海岸1-5-20
(2)連絡先 03(5400)7675
(3)資 本 金 1,418億4,400万円
(4)代 表 者 鳥原光憲
(5)事業内容 ガスの製造・供給および販売、ガス機器の製作・販売およびこれに関する建設工事、熱供給事業、電気供給事業
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