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都市ガスの付臭剤成分の変更について

東京ガス株式会社
平成21年3月16日
広報部

 

 東京ガス株式会社(社長:鳥原光憲、以下「東京ガス」)は、原料である天然ガスに都市ガス特有の臭いとなる付臭剤を加えて、お客さまにガスをお届けしていますが、このたび、付臭剤に含まれている硫黄分を減らす目的で、付臭剤の成分を変更します。

 都市ガスの原料である天然ガスは臭いがなく、微量な漏れでもガス漏洩をいち早く発見できるよう保安上の目的から付臭剤を加えています。天然ガスは、硫黄分が含まれていないクリーンなエネルギーですが、硫黄分を含む付臭剤を加えるため、都市ガスはわずかながら硫黄分を含んでいます。付臭剤の成分は、(1)人体への毒性がない、(2)一般に存在する臭い(生活臭)と明瞭に区別できる、(3)危険を知らせるためにやや不快な臭いを有し、微量でもガス漏れと分かる、(4)ガスが燃焼した後に臭いが残らない、(5)ガス管などを腐らせない――特徴を備えています。

 これまでの付臭剤の成分は、「ターシャリーブチルメルカプタン(以下「TBM」)」と「ジメチルサルファイド(以下「DMS」)」を混合していましたが、今後は、TBMと「シクロヘキセン(以下「CH」)」を混合した成分に変更します。これにより、都市ガスに含まれている硫黄分を約半分に削減でき、環境性をより高めることができます。なおTBMとCHを混合した新しい付臭剤は、これまでの都市ガス特有の臭いと変わらず、都市ガスの付臭剤として必要な特徴を備えています。

 東京ガスは、現在、根岸工場(横浜市磯子区)、袖ケ浦工場(千葉県袖ケ浦市)、扇島(横浜市鶴見区)の3つの工場において都市ガスを製造しています。付臭剤成分の変更は、根岸工場において平成21年8月から開始し、平成22年度中を目処に東京ガスの1,000万件全てのお客さまにお届けする都市ガスの付臭剤成分を変更してまいります。

付臭剤の成分について

■シクロヘキセン(CH:化学式「C6H10」)・・・新規採用
CHは硫黄を含まず、燃焼すると二酸化炭素と水になり、硫黄酸化物が発生しない。化審法の第3種監視化学物質に指定されており、高蓄積性がなく比較的リスクの低い化学物質。
化審法とは、「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律」の略称。第3種監視化学物質は、難分解性で動植物の生息または生育に支障を及ぼす恐れがある物質として製造・輸入実績数量、用途等の届出が課せられているが、人体および生活環境動植物(人の生活に密接な関係のある動植物)への毒性の恐れがあるとは指定されておらず、「原則使用禁止」や「製造数量の規制」を受ける物質ではない。
■ターシャリーブチルメルカプタン(TBM:化学式「C4H10S」)・・・継続使用
TBMは有機硫黄化合物の一種で、臭気が強く、燃焼すると二酸化炭素、水、硫黄酸化物になる。
■ジメチルサルファイド(DMS:化学式「C2H6S」)・・・CHへ変更
DMSは有機硫黄化合物の一種で、燃焼すると二酸化炭素、水、硫黄酸化物になる。悪臭防止法に特定されている物質。
以上
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