東京ガス株式会社(社長:鳥原光憲、以下「東京ガス」)は、大能力タイプの「ガスヒートポンプエアコン(GHP)」の室外機としては、初めて31m(10階以上)を超える高層ビルに設置が義務付けられている非常用エレベーターへの搬入を実現した「ガスヒートポンプエアコン(GHP)、以下(本製品)」を開発しました。
本製品は、冷房能力が45kWあり、ビルの空調に適した大能力タイプの「ガスヒートポンプエアコン(GHP)」です。本製品は、現行モデルよりも排気量が半分以下の小型エンジンを高速回転させ、高出力化を図ることにより、これまでの「ガスヒートポンプエアコン(GHP)」のトップランナー機と比較して、室外機の幅を17%小さくし、34%の軽量化を実現しました。
また本製品は、ビルの各階にある狭いベランダスペースへの設置もより容易にするために、専用の排気ダクトを設けるとともに、室外機の機外静圧(風を外部に送る圧力)を高めて、室外機から出る熱を遠くまで排出できるようにしました。これにより、室外機周辺の外気温の上昇を抑え空調能力の落ち込みを回避しました。
さらに本製品は、年間の気温変化などを想定して使用頻度の高い運転領域の効率を高めることにより、これまでの「ガスヒートポンプエアコン(GHP)」のトップランナー機よりもCO2排出量を1.4%低減しました。また本製品を同能力の「電気ヒートポンプエアコン(EHP)」のトップランナー機と比較すると、CO2排出量が16%低減※できます。
本製品は、アイシン精機株式会社(社長:山内康仁、以下「アイシン精機」)との共同開発品です。東京ガスが製品の仕様を提案するとともに試作機の試験を行い、アイシン精機は東京ガスの仕様提案に基づく製品の設計および開発・製造を行います。
東京ガスとアイシン精機は、来年6月から本製品の販売を実施してまいります。
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室外機写真 |
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※: |
都市ガスCO2排出原単位(単位発熱量あたり)0.0509 kg-CO2/MJ、電力CO2排出原単位(火力平均) 0.690kg-CO2/kWh、CO2排出量計算条件(建物負荷:JIS8616および8627準拠、負荷計算条件:東京・事務所)より試算。
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開発の背景 |
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「ガスヒートポンプエアコン(GHP)」は、室外機のコンプレッサ-をガスエンジンで駆動し、ヒ-トポンプ運転によって冷暖房を行うエアコンです。電気エアコンと比べて約10分の1の電力しか使わない「小電力性」が評価され、昭和62年に発売を開始して以来、これまでに約4万5千件のお客さまに利用されています。
特に近年では、オフィスや店舗を中心とした大型ビルは、OA化の進展によって電力容量が逼迫しているケ-スが多く、個別空調を望まれるお客さまに対して、「ガスヒートポンプエアコン(GHP)」の設置が求められていました。本製品の開発により、ビル各階への個別空調を望まれるお客さまに対し、「ガスヒートポンプエアコン(GHP)」の提案を行ってまいります。
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製品仕様 |
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空調能力 |
冷房能力(kW) |
45.0 |
暖房能力(kW) |
50.0 |
電気特性 |
電源(V) |
(単相200)・三相200 |
消費電力(kW) |
冷房 |
1.00 |
暖房 |
0.89 |
燃料消費量 |
冷房(kW) |
35.64 |
暖房(kW) |
35.85 |
冷媒 |
種類 |
R410A |
封入量(kg) |
11.5 |
運転音(dB) |
標準モード |
61(正面・高さ1m) |
サイレントモード |
59 |
配管関係 |
冷媒ガス管(mm) |
Φ28.6 |
冷媒液管(mm) |
Φ12.7 |
燃料ガス管 |
R3/4 |
許容配管長 相当長/実長(m) |
190/165 |
APF(東京地区・事務所用途の条件で計算) |
2.17 |
室内外ユニット |
室外ユニットが下(m) |
40 |
間許容高低差 |
室外ユニットが上(m) |
50 |
室内機間許容高低差(m) |
15 |
法定冷凍トン(RT) |
4.95 |
外形寸法 |
高さ(mm) |
2077 |
幅(mm) |
1400 |
奥行き(mm) |
880(脚部寸法 986) |
質量(kg) |
595 |
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以上
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