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国内初、下水汚泥ガス化発電において連続運転2000時間を達成

東京ガス株式会社
株式会社タクマ
平成20年2月28日

 

 東京ガス株式会社(東京都港区、社長:鳥原光憲、以下「東京ガス」)と株式会社タクマ(兵庫県尼崎市、社長:手島肇、以下「タクマ」)は、下水汚泥ガス化発電システムの開発を進めておりますが、平成19年9月末から12月末にかけて国内初となる90日間・2000時間の連続 運転を達成しました。これにより、システムの有効性や安定運転性の実証、既存下水処理施設への適合性が確認され、実用化の目処が立ちました。

下水汚泥ガス化発電システムの開発経緯

 下水汚泥は下水道を通じて下水処理施設に集められることから、インフラの整ったバイオマスと位置付けられておりますが、これまでは有効なエネルギー資源として利用されておらず、高効率に汚泥を活用する技術の実用化が期待されていました。そこで、東京ガスとタクマは、平成 13年度から下水処理施設内で使用する動力をまかなう発電設備の燃料の一部として下水汚泥を利用し、化石燃料の使用削減を可能にするガス化発電システムの共同開発を進めてまいりました。
 なお、平成16年度からは独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)との共同研究「バイオマス等未活用エネルギー実証試験事業」として取り組んでおり、実用化に 向けたデータやノウハウの蓄積を行ってまいりました。

下水汚泥ガス化発電システムの特徴

 本システムは、含水率75〜80%の汚泥の一部を燃やし800℃程度にすることで、汚泥が水素や一酸化炭素などの可燃ガスに変換されます。この可燃ガスをガスエンジンに投入して発電し、発電時に発生する廃熱から蒸気を回収し、燃焼前の汚泥の乾燥に利用します。
 また、本システムは、汚泥を可燃ガスに効率よく変換させるために、循環流動層式の安定したガス化炉やセラミックフィルタによる高温集塵、燃焼時に発生するタールを高効率で分解する 独自開発のタール分解触媒を用いております。

 このように、本システムは電力と熱を回収できエネルギーの有効利用を可能にし、化石燃料の使用削減によりCO2抑制に寄与するものです。加えて、従来の汚泥処理方法として用いられている汚泥の焼却時に発生する、CO2より温暖化効果が高い亜酸化窒素を排出しないため、地球温暖化抑制に一層寄与するものです。

 今後、東京ガスは、環境経営トップランナーとして、下水汚泥をはじめ海藻や生ゴミ、きのこ培地といった様々なバイオマスを再生可能エネルギーとして有効活用するための研究・開発などにより、地球環境問題の改善に貢献してまいります。また、タクマは、本成果を活かし、客先のニーズに応じたエネルギー利用システムとして全国の下水処理施設に導入を図っていきたいと考えております。

実証試験設備概要

所在地 埼玉県中川水循環センター(埼玉県三郷市番匠免3-2-2)
汚泥処理量 15トン/日
発電設備能力 200〜260kW

実証試験設備フロー

実証試験設備フロー

実証試験設備外観

実証試験設備外観

参考:会社概要

・東京ガス株式会社
(1)本社所在地 東京都港区海岸1-5-20
(2)代表者 鳥原 光憲
(3)設立年月日 明治18年10月1日
(4)資本金 1,418億44百万円(平成19年3月31日現在)
(5)事業内容 ガスの製造・供給および販売、ガス機器の製作・販売およびこれに関する建設工事、熱供給事業、電気供給事業
・株式会社タクマ
(1)本社所在地 兵庫県尼崎市金楽寺町2-2-33
(2)代表者 手島 肇
(3)設立年月日 昭和13年6月10日
(4)資本金 133億67百万円(平成19年3月31日現在)
(5)事業内容 各種ボイラ、機械設備、公害防止プラント、環境設備プラント、冷暖房、給排水衛生設備の設計・施工および監理、土木建築、その他工事の設計・施工および監理
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