1000kW級熱電可変式再生サイクルガスタービンの商品化について
〜世界初の熱電可変が可能な再生サイクルシステム〜
東京ガス株式会社
三井造船株式会社
平成17年8月11日
東京ガス株式会社(社長:市野紀生、以下「東京ガス」)は、三井造船株式会社(社長:元山登雄、以下「三井造船」)と共同で熱電可変式再生サイクルガスタービンコージェネレーションシステム「GP1000−RECSS」を開発しました。GP1000−RECSSは、お客さまの需要にあわせて蒸気量と発電効率をコントロールできるシステムです。
蒸気が余る季節や時間帯は、排ガスボイラに入る前の排気ガスと燃焼器に入る前の空気を熱交換(再生サイクルモード)させ、排気ガスエネルギーを利用して燃料消費量を抑えることで、27.2%という1000kW級ガスタービンでは最も高い発電効率を実現します。また蒸気需要がある場合は、再生熱交換器をバイパスすること(バイパスモード)によって、全ての排気ガスエネルギーを蒸気発生に利用して、高い総合効率を実現します。
このような熱電可変が可能な再生サイクルシステムの商品化は世界初となります。
従来品であるGP1000は、東京ガス、大阪ガス株式会社(社長:芝野博文、以下「大阪ガス」)、東邦ガス株式会社(社長:水野耕太郎、以下「東邦ガス」)と三井造船が共同で開発したガスタービンコージェネレーションシステムで、発売開始から15年余りが経過し、多数のお客さまにご採用いただいてきましたが、熱電可変が出来なかったため、蒸気の需要が変化するお客さまからは、熱電可変への対応が望まれていました。
そのニーズに応えるべく、実績豊富で信頼性の高いGP1000の特長を継承しながら熱電可変式再生サイクルシステムを実現したものが本製品です。本製品は「GP1000−RECSS(REgenerative
gas turbine cogeneration with Controllable Steam-flow System)」という商品名で、東京ガス、大阪ガス、東邦ガスおよび三井造船で今月より販売を開始します。
<GP1000−RECSSの主な特長>
@熱電可変が可能
蒸気需要の変化に応じた熱電可変を可能としています。
Aクラス最高の発電効率
再生サイクルモード時では、発電効率を従来品の24.9%から27.2%へ向上します。この発電効率は、1000kW級ガスタービンでは最も高い効率になります。
B従来品(GP1000)からの改造が可能で、高い信頼性を持つ
既存品に、再生熱交換器などのいくつかの部品を付加し、制御装置を変更する程度の比較的容易な作業で、GP1000−RECSSに改造することが可能です。また大部分をGP1000のままとしているため、メンテナンスなど、多数の運用実績を誇る高い信頼性を継承しています。
<参考>
◇GP1000−RECSSの主な仕様
項 目
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再生サイクルモード
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バイパスモード
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燃料ガス
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都市ガス13A
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形 式
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一軸式再生サイクル/シンプルサイクル切替
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圧縮機
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遠心式2段(中間冷却器付)
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タービン
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軸流式4段
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燃焼器
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単缶型希薄予混合燃焼式
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定格回転数
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26,600
min-1
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発電出力(@15℃)
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1,030
kW
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1,050
kW
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燃料消費量
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328 m3(
Normal
)/h
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363 m3(
Normal
)/h
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発電効率
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27.2
%
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25.0
%
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蒸気発生量(@15℃)
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2,120
kg/h
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2,750
kg/h
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総合効率
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66.3
%
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70.9
%
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NOx(@O2=0%)
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通常:150
ppm、オプション84
ppm
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再生熱交換器温度効率
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35 %
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-
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◇GP1000−RECSSのシステムフロー図
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