生活レシピ2005
〜消費自由層から探る近未来のライフスタイル〜
東京ガス株式会社
広 報 部
平成16年12月15日
東京ガス都市生活研究所では、このたび「生活レシピ2005」を発行いたしました。今回のテーマは、「消費自由層のライフスタイル」です。
消費自由層とは、自由に使うことができる裁量所得が多い人たちをさします。自由な消費によって実現する暮らしにこめられた想いや価値は、近未来の都市生活者のライフスタイルを読み解くキーワードになるのではないかと考えて、このテーマを選びました。
そこで、消費自由層にアンケート調査やインタビュー調査を実施し、現在のライフスタイルの特徴を明らかにしました。また、別の手法を加え、将来のライフスタイルの予測を行いました。
「生活レシピ2005」では消費自由層を以下のようにとらえている
・年収2000万円以上の世帯
・現在自ら働いて収入を得ている世帯。(資産家をのぞく世帯)
*富裕層に関する様々な基準を参考に、彼らのライフスタイルの特徴がより際立つように、年収2000万円以上の世帯を対象としている。
生活レシピの構成
第T部 消費自由層の今のライフスタイル
第U部 消費自由層から探る近未来のライフスタイル
第V部 近未来の社会潮流
記載内容の要約
第T部 消費自由層の今のライフスタイル
1.暮らしのキーワードは「自分」「楽」「質の追及」
ここでは東京ガス都市生活研究所が過去に実施したライフスタイル全般に関する2つのアンケート調査結果より、消費自由層とそれ以外の層(non自由層)の間にどのような違いがあるかみることで、消費自由層の特徴を明らかにした。
「自分」・・自分への投資は惜しまず・・
「楽」 ・・楽して快適生活・・
「質の追求」・・ワンランク上を常に目指す・・
2.住まいを個性的に演出
5つの住生活観・・「住まい演出派」が最も多い
(1)住まい演出派・・33.1%:(男57人 女75人)
(2)家族のための住まい派・・18.0%:(男29人 女43人)
(3)環境・省エネ派・・11.0%:(男25人 女19人)
(4)永住メンテナンス派・・24.6%:(男55人 女43人)
(5)住まい無関心派・・13.3%:(男25人 女28人)
3.食事は調理にこだわり
5つの食生活観・・「調理こだわり派」が最も多い。
(1)食非行動派・・13.3%:(男48人 女5人)
(2)調理こだわり派・・28.5%:(男46人 女68人)
(3)新しいもの好き派・・25.5%:(男35人 女67人)
(4)食無関心派・・16.5%:(男39人 女27人)
(5)外食大好き派・・16.3%:(男24人 女41人)
4.人付き合いは幅広く
5つの食生活観・・「調理こだわり派」が最も多い。
(1)交流積極派・・29.3%:(男88人 女29人)
(2)追従派・・24.3%:(男18人 女79人)
(3)自分ひとり派・・11.5%:(男29人 女17人)
(4)家族重視派・・17.8%:(男23人 女48人)
(5)リーダー派・・17.0%:(男34人 女34人)
5.お金の使い方は計画的
5つのお金の使い方観・・「計画的消費派」が最も多い。
(1)自分向けこだわり消費派・・18.3%:(男36人 女37人)
(2)計画的消費派・・34.3%:(男78人 女59人)
(3)ゆとりこだわり派・・18.5%:(男27人 女47人)
(4)ワンランク上派・・12.5%:(男25人 女25人)
(5)何となくお金がなくなっている派・・16.5%:(男26人 女40人)
第U部 消費自由層の暮らしから探る近未来のライフスタイル
家を中心とした日常生活をより上質に
1.近未来ライフスタイルキーワードは
「質の追及」「楽(らく)」「自分」「ゆとり快適」「シンプル」
未来を予測するために、新たな暮らしを提案するメディアである「雑誌」を分析したところ、上記の5つのキーワードが導き出された。「質の追及」「楽(らく)」「自分」は第T部で紹介した現在の消費自由層のキーワードと一致し、アンケートでの消費自由層の評価も高く、現在から未来へと共通するライフスタイルキーワードであり、今後多くの人の生活に影響を与えるに違いない。
2.近未来は、新たなことをするのではなく「日常生活」を豊かに。
家を中心とした「上質」な暮らしの追及
消費自由層へのインタビュー調査からは、さらに「日常生活」「家」というキーワードが導き出された。今後、消費自由層たちは、新たなことをするのではなく、いまある暮らし、なかでも、家を中心とした日常生活の充実をはかり、より質の高い「上質」な暮らしの実現を目指していく。その「上質」の中身こそが、近未来ライフスタイルキーワードである「質の追及」「楽(らく)」「自分」「ゆとり快適」「シンプル」であり、消費自由層たちは、自由な消費をもとに、これらのキーワードを日常生活の場面で、一つだけでなく、複数同時に実現していくだろう。
3.近未来のライフスタイル予測
今回のアンケート調査やインタビュー調査結果を踏まえて、上記の5つのキーワードがどのように実現されるのか、近未来の具体的なライフスタイルの行方をレシピ1〜9にまとめた。
レシピ1 機会から人へ・・プロに頼んで家事の質を追求する
レシピ2 プロの技術を個人指名で・・サービスは指名で質を極める
レシピ3 外で楽しむサービスを自宅で・・家でリラックスしてサービスを楽しむ
レシピ4 買物の舞台は全国、世界へ・・質の良いものはどこからでも取り寄せる
レシピ5 人間のためだけじゃない空間づくり・・パートナーのための環境づくり自己実現
レシピ6 「楽(らく)プラスα」のストーリー・・一石二鳥の価値を語れる商品でシンプルに暮らす
レシピ7 住まいに自分のテーマをもつ・・家で自己実現し、ゆとり快適を実現
レシピ8 オンリーワンへのこだわり・・自分だけの楽しみに手間と時間をかける
レシピ9 本場で本物体験・・「百聞は一見にしかず」の実践で自己表現
第V部 近未来の社会潮流
1.人口構造・・人口減少社会
2.経済・産業構造・・低成長時代に適応した消費
3.就業構造・・働く高齢者、女性の増加
4.消費生活の動向・・自分が使いたい分野にお金を使う
調査概要
消費自由層から近未来のライフスタイルを探るため、以下の3つの調査を実施しました。
1.消費自由層へのアンケート調査
2.近未来予測のための雑誌調査
3.消費自由層へのインタビュー調査
1.消費自由層へのアンケート調査
(1)調査目的
・現在のライフスタイル(住生活・食生活・人間関係・お金の使い方)を把握する。
・近未来のライフスタイルキーワードを検証する。
(2)調査時期 2004年3月
(3)調査対象者
・1都3県居住者(茨城県・群馬県・栃木県居住者を約1割含む)
・30代から50代の既婚者(世帯主または配偶者)
・世帯年収2000万円以上
(4)対象人数 400人(世帯主200人、配偶者200人)
(5)調査方法 WEB調査法
2.近未来予測のため雑誌調査
(1)調査目的
消費自由層をターゲットにした雑誌を取り上げ、その記事の中に頻出するキーワードを抽出・分析することにより消費自由層の近未来ライフスタイルキーワードを予測する。
(2)調査時期 2003年12月
3.消費自由層へのインタビュー調査
(1)調査目的
消費自由層へインタビュー調査を行い、実際の暮らしの中でライフスタイルキーワードをどのように実現しているのかを明らかにする。
(2)調査時期 2004年10月
(3)調査対象者 12名(男性6名・女性6名)
このレポートの内容は、2005年1月中旬以降に
都市生活研究所のホームページに掲載いたします。
(http://www.toshiken.com)
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