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空気による揮発除去と生物浄化を併せて効率アップ
「水平井戸を用いたバイオスパージング工法」を実用化!

東京ガス株式会社
東京ガス・エンジニアリング株式会社
鹿島建設株式会社
平成16年9月29日

 東京ガスグループ【東京ガス株式会社(社長:市野紀生、東京都港区)、東京ガス・エンジニアリング株式会社(社長:廣岡武機、東京都新宿区)】と鹿島建設株式会社(社長:梅田貞夫、東京都港区)は、このたびベンゼン等の揮発性有機化合物(VOC)によって汚染された土壌・地下水を浄化する新しい工法「水平井戸を用いたバイオスパージング工法」を共同で開発し、実用化しました。
 本工法は、昨年発表した「水平井戸を用いたエアースパージング工法」に生物浄化の機能を追加したもので、汚染された土壌・地下水に水平井戸(横穴)を構築し、その水平井戸に通した管から空気と栄養塩を噴出するものです。
 空気による揮発除去に加えて栄養塩により活性化した微生物による分解(生物浄化)を行うため、浄化能力の向上、浄化期間の短縮を実現できるとともに大幅なコスト低減が可能となります。
 水平井戸を用いたバイオスパージング工法の実証は国内初となります。また、現在、環境省「低コスト・低負荷型土壌汚染調査対策技術実証実験」に採択され、本工法の性能を評価中です。


        



【背景】
 汚染土壌・地下水浄化の市場において、大規模浄化工事ではコスト削減の観点から「原位置」(汚染されたサイトでの浄化)、「非開削」(掘削が必要ない浄化)に対するニーズがますます高まっています。
 昨年、鹿島と東京ガスは、VOC汚染の原位置非開削の浄化技術として「水平井戸を用いたエアースパージング工法」を実用化しました。この工法は、地盤中に空気を噴出することで地下水中のVOCを揮発させ、ガス吸引法によって汚染物質を回収・処理するものです。建物直下の汚染に適用できることが特長で、従来工法と比較し、浄化コストが2〜3割削減できますが、難透気性の土壌を含む地盤に対しては、部分的に空気が通りづらく浄化効果が低い箇所ができるため、浄化が進むにつれて浄化効率が低下するという課題がありました。
 そこで、このたび生物浄化の機能を追加し、空気と共に地盤中の分解微生物を活性化させる栄養塩を地盤に噴出することにより、空気の通りづらい部分でも生物分解による汚染物質除去を行うことができる「水平井戸を用いたバイオスパージング工法」を開発しました。

【本工法の概要】
 本工法は、ベンゼン等のVOC汚染を対象としており、汚染された土壌・地下水に水平井戸を構築し、その水平井戸に通した管から空気と栄養塩を噴出するものです。各々の注入孔は、注入圧を各々制御できるよう独立しており、空気と栄養塩溶液を交互に地盤中に噴出します。噴出された空気は地下水中のVOCを揮発させながら地下水中を上昇し、地下水面上に設置したガス吸引井戸から揮発したVOCガスを回収します。また、噴出された栄養塩は、汚染地盤中に広がり、空気の通りづらい部分を含め汚染地盤全体で微生物を活性化させ、ベンゼン等のVOCを分解します。


      
エアースパージング工法






バイオスパージング工法(今回開発した工法)





【本工法の特長】

本工法の特長は次のとおりです。

l浄化能力の向上と浄化期間の短縮
 実証試験中の結果、初期ベンゼン濃度が環境基準値の100倍程度(1.0mg/L)であったものが、エアースパージング工法により環境基準値の10倍程度(0.1mg/L)まで浄化できたが、その後、浄化能力が低下することが分かりました。
これに対して、バイオスパージング工法では浄化能力の低下は起こりませんでした。
 また、実証実験の浄化速度から浄化期間を予測すると、エアースパージング工法が約3年であったが、本工法では約1年と大幅に短縮できると推定されました。(一般的な工法(揚水処理法)では約9年)

lコスト低減
 本工法の浄化コストは6,000円〜10,000円/m3程度の浄化コストを想定しています。(汚染状況等により変動)
 実証試験結果から従来工法と比較すると、揚水処理法の40%、エアースパージング工法の20〜30%のコスト低減が可能です。

l建物直下への適用が可能
 エアースパージング工法と同様に、水平井戸を用いることにより、建物直下の汚染であっても建物をそのままの状態で浄化が可能です。

【今後の展開】
 鹿島では、本技術をベンゼンなどの好気的な生物分解が利用できる汚染サイト(ベンゼン精製工場、ガソリンスタンド、染料・塗料工場など)に対して独自の原位置対策工法の一つとして、積極的に営業展開していく考えです。
 また、東京ガスグループでも、土壌調査・修復事業を展開している東京ガス・エンジニアリングを中心に、従来の加熱処理や揚水処理等の保有技術に加え、本技術をVOC浄化工法の一つとして適用していく考えです。


【お問合せ先】
<報道関係>

鹿島建設株式会社 広報室 報道グループ(担当:財部(たからべ))
 TEL:03−3746−7040

東京ガス株式会社 広報部 報道グループ(担当:寺尾)
 TEL:03−5400−7675

<技術関係>

鹿島建設株式会社 技術研究所 地盤グループ (担当:川端)
 TEL:0424−89−3092

東京ガス株式会社 総合研究所 フロンティア研究所(担当:西願寺(さいがんじ))
 TEL:045-505−8815

 

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