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電力と熱を同時に供給する水素供給システムの開発に着手
−燃料電池車の初期導入段階から環境性・経済性の両立を実現-

東京ガス株式会社
広  報  部
平成16年5月17日


 東京ガス株式会社(東京都港区、社長:市野 紀生)は、電力と熱を同時に供給可能な水素供給システム(電力・熱併給型水素供給システム)の開発に着手いたしました。本システムは、定置用燃料電池を利用して、燃料電池車向けの水素を供給するとともに、施設建物等への電力・熱供給を安定的に行うものです。
 本システムは、水素需要の有無によらずコージェネレーション設備として常に高効率なシステム運用が可能なため、電力・熱・水素のベストミックス供給による環境性・経済性を追及することができます。よって、本システムの開発により、水素ステーションや自家用水素供給システム等の水素インフラの普及拡大が見込まれ、燃料電池車の導入の加速も期待されます。

【システムの概要】
 本システムは、定置用燃料電池(水素製造)ユニット、水素精製ユニット、水素圧縮貯蔵ユニット及び簡易ディスペンサーにより構成されます。



            <開発システム全体イメージ図>





 ベースとなる定置用燃料電池には、既に商品化され耐久性も実証されているりん酸形燃料電池(発電出力100kW、富士電機システムズ株式会社製)を利用し、当社の水素精製技術と組み合わせてシステム化いたします。燃料電池の燃料処理系から電池本体に供給される改質ガス(水素リッチガス)の一部を取り出し、水素精製装置を利用して純水素を取り出した後、40Mpaに圧縮貯蔵し、燃料電池車等の水素需要に応じて水素を供給するシステムです。
 既存の定置用燃料電池と同様に、電力および排熱の熱エネルギーを供給できますが、それに加えて純水素も供給できます。


【システムの主な特長】
(1)水素供給のない場合にもコージェネレーションとして稼働するため、常に高効率なシステム運転となり環境負荷低減効果を最大化します。
(2)電力・熱供給メリットを得られることから、初期導入段階においても低コストの水素供給、もしくは早期投資回収といった経済性の創出が期待できます。
(3)燃料電池車の導入に先駆けて定置用燃料電池を設置し、コージェネレーションとして使用しながら、将来の燃料電池車の導入時に水素供給システム部分を追加設置して水素供給対応にすることも可能です。

【目標仕様】<定置用燃料電池ユニット>+<水素精製ユニット>
燃料電池:りん酸形燃料電池(富士電機システムズ(株)製)
純水素出力:小容量水素供給8.5Nm3/hタイプと大容量水素供給20Nm3/hタイプの2タイプ (ともに純度99.99%以上)
小容量供給時:燃料電池自動車約5台/日(バス1台/日)の水素需要対応
大容量供給時:燃料電池自動車約12台/日(バス2-3台/日)の水素需要対応
(現状の燃料電池車の満充填容量想定を前提とした試算、連続充填能力は蓄ガス器の容 量によって変動)
発電出力:〜100kW
排熱出力:高温排熱90℃(最大180MJ/h)、低温排熱50℃(最大243MJ/h)
注)上記は現段階の開発目標値で実際の商品開発時とは異なる場合があります。


【想定される導入例】
 本システムを用いた事業形態としては、需要家が設置し電力・熱・水素を自家使用するケース、エネルギー事業者が設置し電力・熱・水素を販売するケース等が考えられます。
 導入例としては、自治体等の公共施設、業務用車両を保有する企業施設、バス車庫、ゴミ集積場、高速道路のサービスエリアなど、電力・熱需要が近傍にあり燃料電池車の先導的導入が期待されるサイトを想定しています。

【今後の予定】
 2004年度は、定置用燃料電池ユニットと水素精製ユニットの開発と実証運転を実施する予定です。更に全体システムの開発を進めていき、2005年度末を目途に商用化を目指します。新たな水素供給インフラを必要とする燃料電池車ユーザーや地域への導入を図り、将来の燃料電池車普及を加速する効果的な初期水素供給インフラの整備を目指していきます。

 当社は現在、経済産業省の水素・燃料電池実証プロジェクト(JHFCプロジェクト)に参画しており、昨年5月に東京都荒川区の社有地に「水素ステーション」を建設、実証運転を行っています。また、燃料電池車も昨年2台導入し、実証試験や広報啓発イベントに活用しています。更に家庭用燃料電池コージェネを2004年度末までに世界に先駆けて実用化導入を目指しており、環境にやさしい水素エネルギー社会の実現に向けて積極的に取り組んでいます。
 首都圏の都市ガスインフラ、天然ガス自動車での経験、高効率な都市ガス改質水素製造技術を活かして、将来にわたっての重要課題である「水素インフラ」の普及拡大に貢献していくと同時に、新規ビジネス創出を目指していきます。

                                     以上




※本内容は第11回燃料電池シンポジウム(平成16年5月19日 タワーホール船堀 江戸川区船堀4−1−1)、第15回世界水素エネルギー会議(平成16年6月28−30日 パシフィコ横浜 横浜 市西区みなとみらい1−1−1)で発表する予定です。


<参考>
 JHFCプロジェクト
(Japan Hydrogen & Fuel Cell Demonstration Project)
 経済産業省固体高分子形燃料電池システム実証試験のうち、(財)エンジニアリング振興協会の実施する「燃料電池自動車用水素供給設備実証等研究」と(財)日本自動車研究所の実施する「燃料電池自動車実証研究」で構成される国内初の大規模な実証プロジェクト。(2002-2005年度)

 JHFC千住水素ステーション
 建設地
  荒川区南千住3-28 東京ガス社有地内、2003年5月29日竣工、実証運転開始
 主要仕様
  水素製造能力:50Nm3/h
  水素の純度:99.99%
  充填圧力:35Mpa/25Mpa
  充填能力:大型バス1台もしくは乗用車5台連続充填可能


 

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