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業界初!ガス吸収冷温水機用「ダイヤフラム式ドライ真空ポンプ」を商品化
−メンテナンスフリーの抽気方式を実現−

東京ガス株式会社
広  報  部
平成15年10月28日

 東京ガス株式会社(社長 市野 紀生)は、川重冷熱工業株式会社(社長 門脇 文武)、アルバック機工株式会社(社長 小林 信司)と共同で、ガス吸収冷温水機用としては業界初となる、メンテナンスフリー型のダイヤフラム式ドライ真空ポンプ※1を開発いたしました。本形式のドライ真空ポンプをガス吸収冷温水機に採用することは業界初の試みです。本製品は、ガス吸収冷温水機の抽気装置として現在使用されているオイル式真空ポンプ※2の課題であるオイル交換等のメンテナンスが不要となるとともに、同様に抽気装置として現在使用されているパラジウムセル※3よりも安価であることを主な特長としています。
 本製品は11月よりアルバック機工が販売を開始いたします。また、川重冷熱工業では2003年度中をめどにガス吸収冷温水
機への本製品の採用を開始いたします。

1. 開発の背景
 ガス吸収冷温水機は、環境性、省エネルギー性および経済性に優れており、運転に際して特別な資格も不要であることなどから、これまでビル空調や地域冷暖房などに広く利用されてきました。また、燃料にクリーンで供給安定性に優れた都市ガスを用いるため、近年では特に注目を集めています。 

 ガス吸収冷温水機は、機器の性能および耐久性を維持するために、機器内部を高真空に保つことが重要で、従来の抽気方式はオイル式真空ポンプまたはパラジウムセルを用いる方法が一般的でした。
 
前者のオイル式真空ポンプは、ガス吸収冷温水機内部の水蒸気を吸引することによりオイルが劣化するため、定期的にオイルを交換するなどメンテナンスが必要となり、それにともないメンテナンスコストが高いことが課題でした。また万が一、これらのメンテナンスを怠ると、オイル式真空ポンプの排気性能が低下し、ガス吸収冷温水機の能力低下などが懸念されました。
 一方、後者のパラジウムセルは、使用している材料であるパラジウムが貴金属で高価格であることが課題でした。

 本製品は、これら従来の抽気方式が有する課題を解決し、かつ従来のオイル式真空ポンプと同等の価格・大きさで性能(排気速度)を向上させるとともに、小型から大型までのガス吸収冷温水機に適用できる「ガス吸収冷温水機用 メンテナンスフリー型 ダイヤフラム式ドライ真空ポンプ」です。

*ガス吸収冷温水機の内部の不凝縮ガスを、真空ポンプを用いて機外に排気することを「抽気」という。

2. 本製品の特長
(1) メンテナンスフリー
 本製品はオイルを使用していないため、定期的なオイル交換が不要となり、メンテナンスフリーを実現しています。またそれにともない、メンテナンスコストが不要となります。
(2) 従来型と同等の大きさで性能(排気速度)が向上
 ガス吸収冷温水機に従来から使用されているオイル式真空ポンプと比較して、同等の大きさで性能(排気速度)が向上しています。
(3) 全てのガスを排出可能
 ガス吸収冷温水機は機器内部を真空に保つために、全ての不凝縮ガスを排出する必要があります。一方、従来から使用されているパラジウムセルが排出可能なガスは機器内部で発生する水素ガスに限定されていることから、オイル式真空ポンプなどと組み合せて使用する必要があるなど、抽気システムが複雑になるという課題がありました。本製品を採用することにより、機器内
部に滞留する全ての不凝縮ガスを排出することが可能となります。

3. 本製品の採用技術
 ダイヤフラム式ドライ型真空ポンプをガス吸収冷温水機の抽気装置として実用化するために、以下の技術を採用しました。
(1) 球形ポンプヘッドとダイヤフラム (到達真空圧力の向上)
 従来よりも到達真空圧力を向上させる(低くする)とともに、ポンプ内に進入した水分の排水性を高めるために、本製品は、ポンプヘッドとダイヤフラムを球形にして、相互間のデッドスペースを最小限にしました(補足資料参照)。
(2) ダイヤフラム等の最適な材質の選定 (耐久性の向上)
 ガス吸
収冷温水機固有に使用されている物質(吸収溶液、添加剤)の環境下における耐久性や、想定される使用温度範囲での起動性能・耐候性能に配慮し、ポンプヘッド、ダイヤフラム等の材質やコーティング材に関して最適な材質の選定を行いました。

4. 基本仕様

メーカー

アルバック機工

型式

DTK−20

排気速度

20/分

到達圧力

1.99kPa

寸法

幅114mm 高さ192mm 長さ242mm

重量

7.4kg

※1ダイヤフラムが上下することにより、オイルレスで排気する真空ポンプ。
2機械オイルを介して排気する真空ポンプで、現在、ガス吸収冷温水機の抽気装置として幅広く用いられている。
3パラジウムを高温に保持し、水素を選択的に排気する装置で、現在、ガス吸収冷温水機の抽気装置として幅広く用いられている。


                                                     以上



<参考>

1.東京ガス株式会社の概要
(1)本  社:〒105−8527 東京都港区海岸一丁目5番2号
(2)資本金:1,418億円
(3)代表者:代表取締役社長 市野紀生
(4)事業内容:
 ガスの製造・供給および販売、ガス機器の製作・販売およびこれに関連する建設工事、冷温水および蒸気の地域供給、電気供給事業

(5)お問合せ先:エネルギーソリューション事業部 本間
           EL:03−5322−7586   FAX:03−5322−7156

2.川重冷熱工業株式会社の概要
(1)本   社:〒533−0033 大阪府大阪市東淀川区東中島一丁目18番31号
(2)資本金:14億6,050万円
(3)代表者:代表取締役社長 門脇文武
(4)事業内容:
 汎用ボイラ、空調機器、吸収式ヒートポンプ等の設備およびそれらの部品の設計、製造、据付、修理、補修、運転保守整備ならびに販売、賃貸借。土木、建築工事の設計、施工、監理。管工事、電気工事の設計、施工、監理。その他前各号に付帯関連する事業。

(5)お問合せ先:滋賀工場 技術総括室 商品開発部 金谷
           TEL:077−563−3338   FAX:077−564−4353

3.アルバック機工株式会社の概要
(1)本  社:〒222−8522 横浜市港北区新横浜二丁目7番19号
(2)本金:8,000万円
(3)者:代表取締役社長 小林信司
(4)事業内容:小型真空ポンプと小型真空機器、それに関連する周辺機器の設計、製造、販売、およびそれらの修理。
(5)お問合せ先:営業本部 京都支店 田辺
           TEL:075−257−4751   FAX:075−257−4752



補足資料>

採用技術説明


 ガス吸収冷温水機の抽気装置として実用化するために、到達真空圧力の向上を実現する必要がありました。
 従来の構造では、ポンプヘッドとダイアフラムの間にデッドスペースが存在するために、到達真空圧力に限界がありました。
 本製品の構造では、ポンプヘッドとダイアフラムを新規に球状形状としているため、デッドスペースが
なくなりました。これにより、到達真空圧力を低くできるとともにポンプ内に進入した水分の排水性を高めることができます。




          本製品の構造         従来の構造





            

 

 

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