マレーシアLNG社との新LNG売買契約書の締結について
東京ガス株式会社
東京電力株式会社
平成15年3月17日
東京ガス株式会社と東京電力株式会社は、2003年3月31日で期限切れとなるマレーシアLNG社(マレーシア国営石油会社(ペトロナス)の子会社)とのLNG売買契約の更改について、昨年3月8日に締結した合意覚書(MOA:Memorandum of Agreement、)に基づき詳細条件を協議してまいりましたが、このたび全ての契約条件に合意し、本日、新たなLNG売買契約書に調印をいたしました。
新契約は、2003年4月より2018年3月まで15年間にわたり、最大で東京電力480万t/年、東京ガス260万t/年のLNGを引き続き購入するもので、売買条件については、電力・ガス市場における規制緩和の進展など日本エネルギー業界を取り巻く環境の大きな変化に対応し、これまでの安定供給を第一とした長期・固定的な形態から、より経済的かつ弾力性に優れた契約内容となっております。
以上
売買契約の概要
(1)売 主 :マレーシアLNG社
(2)買 主 :東京電力株式会社、東京ガス株式会社
(3)契約期間 :2003年4月〜2018年3月(15年間)
(4)契約数量 :下表のとおり。
(単位:万t/年)
|
東京電力 |
東京ガス |
Ex-ship数量 |
360 |
200 |
FOB数量 |
120 |
60 |
合 計
(うち*短期数量) |
480
(70)n |
260
(50) |
*短期数量については最大引取量を示してあり、両社が各々4年間の引取数量を各年度別に任意に決定。
(5)売買契約の特色
1.短期数量の導入による、引取数量の弾力性の大幅な向上。
2.一部数量のFOB化による、輸送面でのLNG調達の弾力性向上とフレート・コスト(海上輸送運賃)の圧縮(FOBでは買主各社の子会社が保有するLNGタンカーを使用予定)。
3.増加許容量、削減許容量の拡大による、年度内における調達量の柔軟な運用。
※現行契約の概要
契約当事者:売主…マレーシアLNG社
買主…東京電力株式会社、東京ガス株式会社
契約期間 :1983年4月〜2003年3月(20年間)
契約数量 :東京電力480万t/年、東京ガス260万t/年
受渡形態 :全量Ex-ship
<参考資料>
(1)マレーシアLNG社の概要
会 社 名:Malaysia LNG
Sdn. Bhd.
本社所在地:マレーシア国サラワク州ビンツル
事業内容 :天然ガスの調達、LNGの液化・販売
資 本 金:6億マレーシアリンギ(約200億円)
主な出資者:ペトロナス(マレーシア国営石油・ガス会社)
会社設立 :1978年6月14日
(2)マレーシアLNGプロジェクトの位置図

(3)用語解説
1.Ex-ship取引
LNGが買主の受入基地に到着し、荷揚げされた時点で、その所有権ならびに危険負担が売主から買主に移転する取引。売主側が海上保険、海上輸送の手配を行い、保険料や運賃の負担は売主が負う。
2.FOB(Free on Board)取引
LNGが売主の出荷基地でLNGタンカーに積み込まれた時点で、所有権ならびに危険負担が売主から買主に移転する取引。買主側が海上保険、海上輸送の手配を行い、保険料や運賃の負担は買主が負う。
3.増加許容量、削減許容量
一般にLNGの売買契約に規定されている、年間契約量に対する取引量の増加/削減許容量。各許容量の幅や行使にあたっての条件等、具体的な規定内容は各契約毎に売主・買主間で決定されるため一律ではない。
|