社有地の土壌調査結果と対策について
東京ガス株式会社
広 報 部
平成14年4月16日
東京ガス株式会社は、環境問題への対応を重要な経営課題と位置づけ、積極的な事業活動を展開しており、土壌汚染問題については、環境省の指針等に加え、土壌および地下水の汚染防止に関する時代の要請を先取りする方向で、自主的な対応を行っております。
具体的には、平成11年度から、工場跡地等で土壌汚染の可能性のある全ての社有地を対象に、環境省の「土壌・地下水汚染に係る調査・対策指針および運用基準」等に従って、地歴調査、現地調査等を順次実施しており、汚染が判明した場合には、速やかに行政当局にご報告し、必要な対策を講ずることとしております。昨年1月25日には、弊社の土壌汚染問題への取り組み方向ならびに4用地について、また、その後15用地について順次公表を行い、現在、必要な対策工事を進めております。
この度、立川用地、八王子用地について調査結果と対策の方向性がまとまり、本日、行政当局にご報告いたしましたので、公表させていただきます。
1.調査結果および周辺への影響について
今回の調査により、立川用地、八王子用地において、部分的に環境基準を上回る汚染物質(シアン等)が検出されました。(調査結果は別紙1、2をご参照ください)
周辺への影響については、現在、立川用地は支店用地、供給設備(球形ガスホルダー)用地等として、八王子用地は支店用地として使用しており、両用地とも地表面はアスファルト舗装や健全土等で被覆されているため、地表面からの飛散による影響はないものと考えております。また、立川用地、八王子用地ともに、地下水の汚染は検出されておらず、周辺の環境への影響はないものと考えております。
2.汚染発生の推定原因
立川用地、八王子用地ともに昭和20年に他ガス事業者を合併したもので、合併以前から、立川用地では昭和31年まで、また、八王子用地では昭和22年まで、石炭を主原料として都市ガスを製造しており、その製造の工程で、シアン化合物等の物質が生成されていました。合併前の履歴も明らかでなく、正確に原因を特定することは困難ですが、戦災や装置の損傷等による漏洩があり、土壌に浸透したものと推定されます。
なお、弊社は、現在はクリーンな天然ガスを原料にガスを製造しておりますので、これらの汚染物質が発生することはありません。
3.対策について
立川用地、八王子用地については、地下水に汚染は検出されていないことから、周辺への影響はないものと考えておりますが、将来にわたる拡散防止に万全を期すため、今後、敷地内における地下水のモニタリングによって周辺の環境への影響がないことを監視してまいります。なお、将来、土地改変時にあわせて必要な対策を実施してまいります。
弊社では、今後も、全社を挙げてこの土壌問題に取り組んでまいる所存でありますので、ご理解・ご協力のほど、よろしくお願い申し上げます。
以上
(別紙1)
立川用地の土壌調査結果
1.場所
東京都立川市曙町3-6-13
2.面積
16,831u(約1.7ha)
3.履歴
当用地は、昭和17年に当時の立川瓦斯株式会社の工場として石炭を原料とした都市ガスの製造を開始し、昭和20年に弊社と合併しています。その後、昭和31年までの約14年間、石炭ガスを製造しておりました。石炭ガス製造停止後は、現在まで、支店用地、供給設備(ガスホルダー)用地として用いられております。
4.調査方法
環境省の指針等に従い、用地内の8箇所のボーリング調査等により、標準深度10mまでの土壌を採取し、土壌溶出量21項目、土壌含有量4項目について分析を行いました。また、ボーリング地点のうち、5箇所を井戸仕上げして地下水を採取し、22項目について分析を行いました。
5.調査結果
調査の結果、土壌溶出量の1項目、土壌含有量の1項目で環境基準または参考値を超過するデータが検出されました。地下水については、環境基準を超過するデータは検出されませんでした。カドミウム、六価クロム、砒素、総水銀、アルキル水銀、PCB、ジクロロメタン、四塩化炭素、1,2-ジクロロエタン、1,1-ジクロロエチレン、シス-1,2-ジクロロエチレン、1,1,1-トリクロロエタン、1,1,2-トリクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、ベンゼン、セレン、硝酸性窒素および亜硝酸性窒素、ふっ素、ほう素については基準を超過したデータはありませんでした。なお、当用地は地表面がアスファルト舗装や健全土等で被覆されているため、汚染土壌が飛散することはありません。
土壌溶出量・地下水調査結果一覧表
項 目 |
環境基準 |
基準超過試料数
(超過数/全試料) |
最大値 |
最大倍率 |
土壌溶出量
[mg/l] |
全シアン |
検出されないこと |
4 / 62 |
1.0 |
10 |
地下水濃度
[mg/l] |
分析を行った22項目の全てにおいて、環境基準値未満 |
備考
1.シアンの基準超過試料数は、定量限界0.1mg/l以上の試料数をいう。
2.シアンの最大倍率は、基準として定量限界0.1mg/lを用いた。
土壌含有量調査結果一覧表
項 目 |
含有量参考値 |
参考値超過試料数
(超過数/全試料) |
最大値 |
最大倍率 |
土壌含有量
[mg/kg] |
鉛 |
600 |
1 / 62 |
2,300 |
3.8 |
(別紙2)
八王子用地の土壌調査結果
1.場所
東京都八王子市明神町3-3-9
2.面積
3,026u(約0.3ha)
3.履歴
当用地は、明治44年に当時の八王子瓦斯株式会社の工場として石炭を原料とした都市ガスの製造を開始し、昭和20年に弊社と合併しています。その後、昭和22年までの約35年間、石炭ガスを製造しておりました。石炭ガス製造停止後は、現在まで、支店用地として用いられております。
4.調査方法
環境省の指針等に従い、用地内の4箇所のボーリング調査により、標準深度5mまでの土壌を採取し、土壌溶出量21項目、土壌含有量4項目について分析を行いました。また、ボーリング地点のうち、4箇所を井戸仕上げして地下水を採取し、22項目について分析を行いました。
5.調査結果
調査の結果、土壌溶出量の2項目で基準を超過するデータが検出されました。地下水及び土壌含有量については、環境基準または参考値を超過するデータはありませんでした。カドミウム、六価クロム、砒素、総水銀、アルキル水銀、PCB、ジクロロメタン、四塩化炭素、1,2-ジクロロエタン、1,1-ジクロロエチレン、シス-1,2-ジクロロエチレン、1,1,1-トリクロロエタン、1,1,2-トリクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、ベンゼン、セレン、硝酸性窒素および亜硝酸性窒素、ふっ素、ほう素については基準を超過したデータはありませんでした。なお、当用地は地表面がアスファルト舗装や健全土等で被覆されているため、汚染土壌が飛散することはありません。
土壌溶出量・地下水調査結果一覧表
項 目 |
環境基準 |
基準超過試料数
(超過数/全試料) |
最大値 |
最大倍率 |
土壌溶出量
[mg/l] |
全シアン |
検出されないこと |
4 / 28 |
0.7 |
7 |
鉛 |
0.01 |
7 / 28 |
0.033 |
3.3 |
地下水濃度
[mg/l] |
分析を行った22項目の全てにおいて、環境基準値未満 |
備考
1.シアンの基準超過試料数は、定量限界0.1mg/l以上の試料数をいう。
2.シアンの最大倍率は、基準として定量限界0.1mg/lを用いた。
土壌含有量調査結果一覧表
項 目 |
含有量参考値 |
参考値超過試料数
(超過数/全試料) |
最大値 |
最大倍率 |
土壌含有量
[mg/kg] |
分析を行った4項目(カドミウム、鉛、砒素、総水銀)の全てにおいて、参考値未満 |
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