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 平成14年度 
入社式 上原社長祝辞(要旨) 
 
東京ガス株式会社 
広  報  部 
平成14年4月1日 
 
       エネルギー産業では、規制緩和の進展により、都市ガス、電力、石油という既存の業界の枠組みを越えた競争が生まれ、「エネルギー大競争時代」に突入しております。既に都市ガス事業者、電力事業者の相互参入や異業種からの新規参入が現実のものとなっていることは、皆さんご承知のことと思います。そして、都市ガス、電力事業のそれぞれについて、さらなる規制緩和の促進に向けた議論が、今まさに急速に進展している状況にあります。都市ガス事業は、まさに「歴史的転換期」を迎えていると言えるのであります。 
         
         規制緩和とは、お客さま、すなわち市場が企業を選択する社会を作ることに他なりません。そして、時代の変化を先取りした変革を、自らの手で成し遂げることのできる企業のみが生き残れるという、厳しい反面、チャレンジし甲斐のある、新しい社会が生れることでもあるのです。 
         私は、こうした事業環境の変化を大きなビジネスチャンスとして捉え、積極的に対応していくことが大切だと考えております。また、「環境の世紀」といわれる21世紀において、天然ガスのリーディングカンパニーである当社の役割は今までにも増して大きくなってきております。 
         そのため、現在、コージェネレーションシステム、燃料電池、さらにはマイクロガスタービンといった新しい技術の開発により、天然ガス需要の一層の拡大に全力で取り組んでおります。加えて、事業拡大のチャンスをタイムリーに捉え、発電事業やエネルギーサービス事業、さらには天然ガスの上流分野等の新しい事業分野へも、積極的に打って出て、地歩を固めているところであります。 
         
         当社は、昨年1月、新しい企業スローガンとして、「エネルギー・フロンティア 
        〜天然ガスがひらく未来〜 
        」を発表いたしました。これは、天然ガスをコアとして、これからのエネルギー市場を積極的に切り拓いていくという、当社の姿勢と決意を明確に打ち出したものであります。当社が、「エネルギーフロンティア産業」としての確固たる地位を確立し、歴史的な転換期を乗り切るため、現在、新たな経営計画の策定に取り組んでおります。今回の経営計画は、「変革と創造の計画」として作成してまいりますが、第一に、規制緩和をビジネスチャンスとして捉え、積極的に対応していくこと、第二に、東京ガス単体ではなく、グループ全体としての経営戦略を構築すること、そして第三に、東京ガスグループのビジネスモデルを変革することの三つを通じて、当社グループのさらなる発展を目指していきたいと考えております。 
         
         さて、ここで当社の将来を担っていただく皆さんに、是非とも心掛けていただきたいことを、三つお話しいたします。 
         まず第一は、「自立した、仕事のプロフェッショナルになること」であります。 
         皆さんは、まず、それぞれの分野の仕事に真剣に取り組むことにより、社内はもとより、社外でも通用する「高い専門性」を身につけてください。同時に、周辺分野や社会の動きを常に敏感に察知し、多様な価値観、様々な情報や知識を吸収することによって、広い視野も養って下さい。そして、身につけた専門性と広範な知識、情報を十分活かし、「自ら考え、自ら行動し、高い成果に結びつける」ことのできる、自立したプロフェッショナルになっていただきたいと思います。 
         第二は、「変化に立ち向かうチャレンジャーになること」であります。 
         エネルギー大競争時代において、当社が発展を続けていくには、これまで以上にお客さまに支持され、選択していただける企業へと自己変革していかねばなりません。新入社員の皆さんには、組織に新風を吹き込み「企業を変革していく原動力」として、「変革マインドを持って、果敢にチャレンジする」ことを心掛けていただきたいと思います。 
         第三は、「マーケットとスピードを常に意識すること」であります。 
         今日のように、社会のしくみ、そして事業環境が早く、大きく変化していく状況にあっては、「市場競争力」と「スピード」が経営を左右する大きなキーポイントになっております。一つひとつの仕事においても、マーケットで競争力を持ちお客さまに選択していただける商品やサービスをご提案できること、そして変化のスピードに負けない「即断、即決、即実行」が何よりも求められるわけでありまして、「誰よりも先にまずやってみること」が重要だと考えます。 
         新入社員の皆さんは、今、最もお客さまに近い感覚をお持ちだと思います。そのマーケット感覚を失うことなく、斬新なアイデアをどんどん出し、そのアイデアを、時期を逸することなく実行することを期待しています。 
         
         さらに、付け加えて申し上げるならば、企業人である前にひとりの社会人として、しっかりした倫理観、正義感を持って、おかしいことはおかしいとはっきりと言う勇気を持って下さい。会社の中で長い間に気がつかないでいることがあれば、これを皆さんの新鮮な目でみて是正していくことも期待しています。 
         
         東京ガスという、社会的責任の大きい会社を志望された皆さん方は、仕事を通して人々の暮らしを豊かにし、社会に貢献したいという気持ちをお持ちだと思います。どうか東京ガスの社員であることに誇りを持ち、日々の仕事や生活の中で、多くの人々に喜びを与え、それによって、皆さん方ご自身の人生を、豊かで充実したものにされますよう、心からお祈り申し上げまして、私のお祝いの挨拶とさせていただきます。 
                                                 以上 
         
         
        <参 考> 平成14年度新入社員数   
      
         
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             平成14年度 
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             平成13年度 
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             大学卒 
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             文系 
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             18(6) 
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             15(4) 
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             理系 
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             38(3) 
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             21(4) 
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             高専卒 
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             6(0) 
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             2(0) 
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             短大卒 
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             −(−) 
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             −(−) 
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             高校卒 
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             21(0) 
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             32(0) 
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             合計 
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             83(9) 
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             70(8) 
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                              ( 
)内は女子で内数 
  
 
 
       
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