エネルギー市場は、規制緩和の進展によって、ガス対ガスあるいはガス対電力の競合が激しくなるが、一方で、将来的には、電力、ガス、その他ユーティリティ、エネルギーサービス、家庭用各種サービスなどを含めたエネルギー関連市場が融合して新たな市場が生まれ、ビジネスのチャンスが拡大していくと考えられる。
当グループは、この経営環境の大きな変化に対応し、コア事業領域であるエネルギー関連領域の中で、グループとして成長、発展するため、平成14年10月に「フロンティア2007(2003年度〜2007年度グループ中期経営計画)」を策定した。
「フロンティア2007」では、基軸となる4つの柱として「ビジネスモデルの変革、グループ経営体制の構築、エネルギー関連領域への事業拡大、企業体質の強化」を置いている。
「ビジネスモデルの変革」は、これまでのガス単体供給を中心とするビジネスモデルから、「エネルギーとエネルギー付加価値をグループトータルのバリューチェーンを通じて提供するビジネスモデル」に変革するものであり、「グループ経営体制の構築」は、このビジネスモデルの変革を実現するため、関係会社と本体を一体として経営することで、グループトータルとしてお客さまに提供できる価値を最大限に発揮できるような組織体を目指すものである。「エネルギー関連領域への事業拡大」は、ビジネスモデルの変革のために電力、エネルギーサービス、上流・輸送、海外、家庭用新サービスなどのエネルギー関連領域へ事業を拡大していくもの、そして、「企業体質の強化」は、徹底して競争力を強化するもので、ビジネスモデル変革のための必要条件であり、前提条件である。
当グループは、「フロンティア2007」の着実な実行により、関東圏を中心とした「エネルギーフロンティア企業グループ」として持続的な成長を図る。そして、お客さまや株主の皆さま、社会から常に信頼され続けるグループを目指していく。
該当する事項はない。
当グループは、技術戦略を経営戦略のひとつとして位置づけ、東京瓦斯鰍フR&D本部を中心として、主に以下の観点から研究開発に取り組んでいる。
@ 省エネ性・環境調和性にすぐれた天然ガス利用の高度化
A 天然ガス事業基盤の拡充(効率的な製造・貯蔵・輸送・供給システムの構築など)
B 新しい事業機会の創出
研究開発の推進にあたっては、投入原資の選択と集中を図るとともに、スピードと採算性を重視して取り組んでいる。
当連結会計年度の研究開発費総額は 11,671百万円である。
主な研究開発活動は、次のとおり主力事業であるガス事業を中心に行われており、10,976百万円である。
@ 天然ガス利用の高度化
・現行標準機に比べ約35%と大幅に冷房効率を向上した、世界最高効率の高効率ガス吸収冷温水機(冷房効率COP(冷房能力/消費電力)=1.35、ガス高位発熱量基準)を開発した。
・新型蒸気エジェクターにより、従来の真空冷却機では最低8℃が限界であった冷却温度を3℃まで引き下げると共に、省スペース化を実現したガス真空冷却機を開発した。
・従来の当社開発品に対し、構造の簡素化により約2分の1の軽量化、低出力時効率の向上を達成した、固体高分子型燃料電池(PEFC)を用いた1kw級家庭用コージェネレーションシステム向けの一体型燃料処理器を開発した。
A 天然ガス事業基盤の拡充
・道路復旧工事の期間短縮によるコストダウン、社会問題となっている交通渋滞の緩和に貢献する、円形切削用コンクリートカッターを開発した。
ガス器具及びその他の事業については、当該事業を営む連結子会社が中心となって、商品化開発等を行っている。
ガス器具事業に係る研究開発費は 505百万円である。
その他の事業における主な研究開発の状況は次のとおりであり、当該事業に係る研究開発費は 188百万円である。
B 新しい事業機会の創出
・トリクロロエチレンなどの有害化合物を含む工場排水を、曝気及び燃焼により効率的に処理、無害化する燃焼曝気式VOC含有排水処理装置を開発した。
・商圏分析、出店戦略の立案に有用なデータを標準装備し、簡単な操作で各種情報を一括管理・分析可能とした、コンビニ・飲食店チェーン向け地理情報システム(GIS)を開発した。