ローカルメニューへ 本文へ フッターメニューへ サイトマップへ
会社情報TOP 会社案内 株主・投資家向け情報 採用情報 取り組み・活動 資材調達 プレスリリース
現在位置:東京ガスサイトTOP > 東京ガスについて > 取り組み・活動 > 技術開発 > Menu4次世代社会へ向けたチャレンジ > 固体酸化物型燃料電池(SOFC)
 
固体酸化物型燃料電池(SOFC)

SOFCは、リン酸型燃料電池、固体高分子型燃料電池(PEFC)に次いで実用化が期待される高効率でコンパクトな次世代型燃料電池です。


目的
SOFCは発電効率が非常に高いことから、大型発電所や分散型電源あるいは高効率コージェネレーション機器として、実用化が期待されている。当社は天然ガスの有効利用技術としてSOFCに着目し、1989年に研究・開発を開始した。基礎研究と製造技術の開発を行なうことにより、SOFCの本質を理解し、将来的な性能、用途、経済性等を的確に判断することを目的としている。また、メーカー開発機の運転評価を行ない、早期市場導入を目指した実用化開発にも目を向けている。

作動原理
SOFCの最小構成単位は単電池である。単電池は燃料極、空気極、電解質の3種類の酸化物セラミックスから構成されている。燃料となる都市ガス(CH4)は、燃料極上で水蒸気と反応して水素(H2)と一酸化炭素(CO)に改質される。SOFCの作動温度が700〜1000℃と高温であることと、燃料極の成分であるニッケルの触媒作用によって、電池内で水蒸気改質(内部改質)を行なうことが可能である。空気極に導入された空気中の酸素は、電解質との界面で解離して酸素イオン(O2−)となり、電解質中を拡散して燃料極へ移動する。酸素イオンは、電解質/燃料極界面で改質反応によって生成した水素および一酸化炭素と電気化学的に反応して、水および二酸化炭素を生成する。その時放出された電子によって発電する。このようにして、燃料の持つ化学エネルギーを直接電気エネルギーへ変換するため、エネルギー変換ロスが小さく、高効率な発電が可能となる。

図1 SOFCの作動原理

特徴

  ・発電効率が高い(常圧:45%以上、加圧:60〜70%)

  ・運転温度が高い(700℃〜1000℃)ことから高品位の熱が回収できる

  ・回転部・摺動部がないことから、騒音・振動が極めて小さい

  ・NOx,SOxの排出量が極めて少なく、環境負荷が小さい

  ・内部改質が可能であることから、改質器が不要となり、システムの小型化が期待できる

  ・多様な燃料を使用することができる

 

高温作動SOFCの開発〜運転温度1000℃〜
高温作動SOFCの運転温度は約1000℃である。単電池は120 mm×120 mm角、厚さ100μm程度の電解質の両面に電極を形成したものを使用している。当社では、1989年より高温作動の平板型SOFCの研究開発を開始し、1993年には燃料に水素を用いて、試験当時世界最高となる1331Wの発電に、1998年にはメタン直接内部改質方式によるkW級発電では世界初となる1679Wの発電にそれぞれ成功した。現在は、電極の改良によって単電池の発電特性は出力密度、耐久性ともに実用化レベルに近づいている。モジュール化した時のセラミックス部材の信頼性を向上させることが実用化に向けた課題となっている。

図2 1679 W試験を行なったSOFCモジュール
(48段積層 × 2基、メタン内部改質作動)

低温作動SOFCの開発〜運転温度750℃〜
コスト低減と力学的信頼性向上のために、運転温度を下げることを試みている。多孔質な燃料極基板上に緻密な電解質膜を成膜する技術を確立することによって電解質を薄膜化し、運転温度を下げることが可能となった。プレス成形したグリーン燃料極基板上に、スクリーン印刷法によって電解質成分のスラリーをコーティングし、一度に焼成(共焼結)してセルを作製する。運転温度を下げることによって、構成部材に安価な金属が使用でき、低コスト化が図れるばかりでなく、力学的信頼性を向上することができる。図3の電池の断面写真(SEM写真)では、約30μmの緻密で一様な厚みを持った電解質膜を、多孔質な燃料極基板上に形成できている様子が分かる。図4の写真は積層化した場合の構成部材で、電池以外の構成部材は安価なフェライト系ステンレスである。発電特性は高温作動SOFCと同等であり、最大出力密度は0.65 W/cm2(@750℃)である。
図3 電池の断面写真(SEM写真) 図4 積層化した電池の構成部材

SOFCシステムの運転評価
東京ガスは米国ジーメンス・ウェステイングハウス社やスイスのズルツァー社製のSOFCシステムの運転評価を行っている。
1987年から行っているジーメンス・ウェスティングハウス社製のSOFCシステムの運転評価では、現在まで3 kW機、25 kW機の運転実績がある。同社はオランダにおいて、100 kWコージェネ機の運転試験を行い、その発電効率は46.4%で、SOFCの高発電効率という優位性が実証された。2000年からは、米国において、加圧したSOFCとマイクロガスタービンを組み合わせた220 kW機の運転を行った。このシステムは52%という極めて高い発電効率を得ている。SOFCの高発電効率というメリットを最大限活かした、発電主体機として実用化段階を迎えようとしている。
一方、ズルツァー社は熱利用重視の観点から開発を進めており、小型のコージェネレーション機器実現の可能性を実証するために、運転評価が世界各地で行なわれている。写真(図5)は2000年2月から当社技術研究所において運転を行った、ズルツァー社製の1 kW SOFCシステムである。このシステムには当社で開発した電池が使用されている。電池から発生する熱を断熱し、システムの作動温度(約950℃)を保持する熱自立方式を採用している。1 kWという容量はシステムが熱自立可能な最小規模である。

図5 ズルツァー社製1kWSOFCシステム