東京ガスTOP > 企業情報 > 取り組み・活動 > 技術開発 > 低炭素社会 > エネファーム向け燃料処理装置の開発

エネファーム向け燃料処理装置の開発

東京ガスは、家庭用燃料電池「エネファーム」の燃料処理装置の開発を行っています。燃料処理装置とは、都市ガスから燃料電池の燃料である水素を製造する装置で、都市ガスの付臭剤に含まれる硫黄分を除去する脱硫器と、水素を製造、精製する燃料処理器からなります。安価で高性能な脱硫剤を開発する技術や、燃料処理器の構造簡素化技術・触媒最適運転技術により燃料処理装置を低コスト化、小型化することで、エネファームの普及拡大に貢献していきます。
 

背景と目的


東京ガスは低炭素社会の実現に向けて、エネファームの普及拡大を推進しています。エネファームの普及のために重要なのが低コスト化や小型化で、部品一つ一つに対して検討していく必要があります。ここでご紹介する燃料処理装置とは、エネファームの心臓部の一つと言える、都市ガスから燃料電池の燃料である水素を製造する装置です。都市ガスの付臭剤に含まれる硫黄分を除去する脱硫器と、水素を製造、精製する燃料処理器からなります。

当社には、脱硫剤開発技術と、かつて石炭や石油から都市ガスを製造していた燃料処理技術の蓄積があります。それらの技術を活用し、燃料処理装置の低コスト化や小型化を進め、エネファームの普及拡大に貢献します。


 
エネファームのシステム構成
エネファームのシステム構成
 

開発内容

脱硫器

都市ガスの原料である天然ガスには臭いがありません。そのため、微量な漏れでもガス漏洩をいち早く発見できるよう保安上の目的から独特の臭いを有する付臭剤を加えています。天然ガスはクリーンなエネルギーですが、付臭剤を加えるため、都市ガスはわずかながら硫黄分を含んでいます。この硫黄分がそのままエネファームに供給されると、燃料処理器やPEFCスタックの性能低下を引き起こします。そのため都市ガス中の硫黄分をあらかじめ除去する脱硫器が必要になります。

当社では脱硫器に充填する脱硫剤の開発を行っており、2001年に付臭剤を常温で容易に除去できる脱硫剤を開発しました。2011年には、脱硫剤の大部分を安価な金属酸化物や活性炭で置き換えることで脱硫剤コストを1/3に低減、最新モデルでは、活性炭に金属を添着した脱硫剤を新規開発することにより、脱硫剤コストをさらに低減できる見込みを得ており、今後エネファームへの搭載を予定しています。
 
脱硫剤コストの変遷
脱硫剤コストの変遷

このページの先頭へ

燃料処理器

硫黄が除去された都市ガスは燃料処理器に導入され、その中では以下の3つの化学反応が行われます。都市ガスの主成分であるメタンと水蒸気を反応させることにより水素を製造するとともに、PEFCスタックに悪影響を及ぼす一酸化炭素を、10ppmまで低減します。
 
  1. 改質反応:都市ガスに水を反応させて水素と一酸化炭素に分解 
    CH4+H2O → 3H2+CO(400℃~680℃)
  2. CO変成反応:一酸化炭素を1%以下まで除去
    CO+H2O → H2+CO2(200℃~450℃)
  3. CO選択酸化反応:微量残った一酸化炭素をppmレベルまで除去
    CO+1/2O2 → CO2(120℃~170℃)
 
〔燃料処理器の構成〕
燃料処理器の構成


3つの化学反応の反応温度はそれぞれ異なるため、通常は3種類の反応容器を用いますが、当社ではこれらを1つの容器に一体化した燃料処理器を2000年に開発しました。2003年には量産化の目途をつけ、その後の構造の簡素化、高性能触媒の開発改良、触媒の運転方法の見直しを経て、2013年には容積を2/3、製造コストを1/3まで低減することに成功しました。
 
燃料処理器の容積と製造コスト変遷
燃料処理器の容積と製造コスト変遷
 
 

展望


今後も技術開発を継続し、燃料処理装置のさらなる低コスト化や小型化を進めます。また、燃料処理装置の開発で蓄積した低コスト化・小型化技術を固体酸化物形燃料電池(SOFC)にも転用し、SOFCシステムの普及拡大にも貢献していきます。
 

このページの先頭へ