希望はないのか?
ところが、一旦この状況に至ってしまうと、ヒトの介在なしに、ガラパゴスの生態系を維持・回復することはできません。なぜなら、今ここで観光を全面的に禁止し、全人口を島外に退去させ、あとは自然のなすがままに任せたとしたら、ダーウィンの進化論に従って、競争力の弱い固有種は淘汰され、外来種天国となってしまうからです。
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丘に立つ風力発電機(800kW×3機): 島の電力の半分を供給 |
では、ヒトが居住し観光業が営まれる中で、この問題に対処するにはどうしたらよいのでしょうか?長期的に最重要なのは教育です。将来諸島を担うことになる子どもたちと、その親を対象とした環境教育が始められようとしています。エクアドル政府や、これを支援する国際社会からの資金提供により、多くの人々が保全活動に職業として従事できるようになることも必要です。暮らしに必要な物資やエネルギーの自給を図ることも、物資輸送に伴う外来種侵入リスクを軽減するため、ガラパゴスでは立派な外来種対策となります。たとえば、サン・クリストバル島に導入された風力発電は、島内消費電力の半分をまかなうことで、燃料輸送を半減させたのです。
ガラパゴスでは、固有種(そこでしか見られない種)が非常に高い割合で見られ、種のレベルで見ても生態系のレベルで見ても特異(ユニーク)です。しかし、その生態系は、幸か不幸か自力で1,000kmの海原を渡ってたどり着けた生物だけで構成されるため、大陸本土と比較すれば必ずしも生物多様性に富むとは言えず、外来種との競争に弱く、脆弱です。
世界のどの地域よりも手厚く保護され、研究されているガラパゴスですら、外来種問題を解決できないとしたら、世界のどこでできるでしょうか?逆に、ガラパゴスでの苦闘が成果を挙げることができれば、世界のモデルとなるはずです。
そのときこそ、いい意味での「ガラパゴス化」というたとえが使われるようになるでしょう。そうなることを願ってやみません。