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豊洲埠頭地区に「東京ガス豊洲スマートエネルギーセンター」を竣工

東京ガス株式会社
平成28年5月24日
広報部

 

東京ガス株式会社(社長:広瀬 道明、以下「東京ガス」)は、昨日、豊洲埠頭地区におけるスマートエネルギーネットワーク※1の中核となる、「東京ガス豊洲スマートエネルギーセンター(以下「本センター」)」を竣工しました。今後、豊洲市場を含む区域4~7(以下「本区域」)に、熱と電気を効率的に供給します。

豊洲埠頭地区は、江東区によって策定された「豊洲グリーン・エコアイランド構想」等に基づき、まちづくりが進んでいる地区です。また、東京ガス用地開発株式会社(社長:丸山 隆司、以下「東京ガス用地開発」)は豊洲埠頭地区内における自社所有地を核として、長期的な視点で未来志向のまちづくりに取り組み、地区の魅力や価値向上に資する開発を進めています。

本センターでは、大型で高効率のガスエンジンコージェネレーションシステムの導入により発電した電力を豊洲市場へ供給し、廃熱を本区域の熱供給に有効活用するとともに、当社施設では初となるガス圧力差発電を導入します。
また、BCP対応として、ガスエンジンコージェネレーションシステムにブラックアウトスタート仕様を採用、電力の自営線※2の敷設および、災害に強い中圧ガス導管を活用することにより、系統電力が停電しても熱と電気を継続的に供給します。さらには、情報通信技術(以下「ICT」)を活用し、スマートエネルギーネットワーク・エネルギーマネージメントシステム(以下「SENEMS」)を導入することにより、リアルタイムでの熱源機最適制御や、エネルギーの見える化を可能にします。
これらにより、CO2排出量の約40%削減※3を目指すとともに、地域の防災性の向上を図ります。

将来的には、本区域以外のまちづくりの進展に合わせて新たなスマートエネルギーセンターを設置し、本センターと連携することを計画しています。

東京ガスは「チャレンジ2020ビジョン」で掲げた、地域全体でエネルギーを賢く使う「地域のスマート化」を豊洲埠頭地区で実現し、環境性に優れ、防災に強いまちづくりに貢献してまいります。

※1: ガスコージェネレーションシステムと再生可能エネルギーや未利用エネルギーを組み合わせ、これをICTにより最適に制御し、地域に効率よく熱や電気を供給することにより、省エネルギーとCO2削減を実現するシステム。なお、豊洲埠頭地区におけるスマートエネルギーネットワークの構築は、その先進性が認められ、国土交通省の補助事業「住宅・建築物省CO2先導事業」、「災害時業務継続地区整備緊急促進事業(施設整備事業支援)」、環境省の「二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金(先導的「低炭素・循環・自然共生」地域創出事業のうちグリーンプランパートナーシップ事業)」に採択されました。今後、豊洲埠頭地区におけるスマートエネルギーネットワークについて、「豊洲エネポーリアム」という名称を用い、情報発信していきます。
※2: 事業者が独自に敷設する電線。系統電力が停電しても需要家の判断にて使用が可能となります。
※3: エネルギー供給は同様の熱源構成である集中プラント方式を採用し、ガスコージェネレーションシステムや未利用エネルギー等は利用しない場合のCO2排出量との比較。CO2排出係数はガスコージェネレーションシステムにより削減される系統電力の係数として0.69kg-CO2/kWhを使用します。

東京ガス豊洲スマートエネルギーセンターの外観写真

豊洲埠頭地区における熱および電気の供給計画エリア

東京ガス豊洲スマートエネルギーセンターの特長

(1)大型高効率ガスエンジンコージェネレーションシステムの採用

世界最高水準の高効率ガスエンジンコージェネレーションシステムを採用し、発電した電力は豊洲市場へ供給、廃熱を本区域の熱供給に有効活用します。


【ガスエンジンコージェネレーションシステム(6,970kW)】

(2)ガス圧力差発電システムの採用

豊洲埠頭地区は中圧ガス導管の中でも供給圧力が高めの中圧Aと、低めの中圧Bが同じ地区にあるため、中圧Aから中圧Bへ減圧する際の都市ガスの流れで、タービンを回転させ発電するシステムを採用、発電と同時に発生した冷熱は、本区域の熱供給に有効活用します。 【ガス圧力差発電イメージ図】

(3)ガスエンジンコージェネレーションシステムにブラックアウトスタート仕様を採用

ガスエンジンコージェネレーションシステムに、停電の状態で発電機を自立起動させるブラックアウトスタート仕様を採用、電力の自営線の敷設および、災害に強い中圧ガス導管を活用することにより、系統電力が停電しても、熱と電気の供給継続を可能とし、地域の防災性の向上を実現します。

(4)SENEMSによるリアルタイムでの熱源機最適制御

熱需要情報や、気象状況、曜日特性といった膨大な外部情報等を瞬時に収集・分析し、人には難しい最適なコントロールをリアルタイムで実施することにより、地域全体のエネルギー需給を一括管理・制御するシステム「SENEMS」を導入します。これにより、本センター内の冷凍機の稼働台数や冷水送水用ポンプの動力などを最適に制御し、本区域の省エネ・省CO2を実現します。

東京ガス豊洲スマートエネルギーセンター概要

項目 内容
敷地面積 約7,400m2
建築面積 約3,000m2
延床面積 約11,400m2
高さ(階数) 約42m(地下1階、地上5階)
エネルギー供給設備 ガスエンジンコージェネレーションシステム 6,970kW × 1台
ガス圧力差発電665kW × 1台
廃熱投入型蒸気吸収冷凍機2,000RT × 1台
ターボ冷凍機2,000RT × 2台
蒸気ボイラ2.5t/h × 4台

東京ガス豊洲スマートエネルギーセンター建設工事体制

建物所有者 東京ガス用地開発株式会社
デザイン監修 株式会社内藤廣建築設計事務所
設計監理 豊洲DHC設計共同企業体/豊洲DHC監理共同企業体
(株式会社梓設計、株式会社日建設計、株式会社日本設計)
施工 株式会社竹中工務店
オーナーズコンサルタント 東京ガス都市開発株式会社

エネルギー供給設備工事体制

プラント所有者 東京ガス株式会社
コンストラクションマネジメント 東京ガスエンジニアリングソリューションズ株式会社
設計・技術コンサルタント 豊洲DHC設計共同企業体/豊洲DHC監理共同企業体
(株式会社梓設計、株式会社日建設計、株式会社日本設計)
プラント設備施工 新菱冷熱工業株式会社
洞道施工 清水建設株式会社
熱導管施工 JFEエンジニアリング株式会社
ガス圧力差発電施工 東京ガスエンジニアリングソリューションズ株式会社
ガスエンジンコージェネレーションシステム施工 ダイダン株式会社
廃熱投入型蒸気吸収冷凍機納入 パナソニック産機システムズ株式会社

<参考>

豊洲グリーン・エコアイランド構想について

江東区が豊洲埠頭地区の将来の姿を展望するビジョンとして2011年6月に策定したものです。官民が連携・協働して、環境に最大限配慮したまちづくりの実現を目指すことを目的として、「東京の持続的発展を支える環境最先端拠点の形成」と「地区特性を最大限に生かした環境まちづくり」を基本目標に掲げています。

豊洲埠頭地区におけるまちづくりの方針概要

東京ガス用地開発は、豊洲埠頭地区の自社所有地(計約20ヘクタール)を核として、2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催後も見据えて、長期的な視点で未来志向のまちづくりに取組み、地区の魅力や価値向上に資する開発を継続的に進めます。開発の方向性としては、都市計画の方針等に沿って、業務、商業、住宅、文化など多様な機能が調和した賑わいのある魅力的な複合市街地の形成を図り、地区の環境や景観にも配慮したバランスの取れた開発を推進しています。
まちづくりのコンセプトは、22世紀にも通じる発展性のあるまちづくりを目指す志をこめて、「Tokyo Smart City TOYOSU22」と題し、スマートエネルギーネットワークをはじめとして、以下の3つのスマートが響き合うまちづくりを目指します。

スマートエネルギー スマートエネルギーネットワークを構築し、環境負荷の低減とエネルギーセキュリティの向上を実現。
スマートグリーン 水と緑に囲まれた街並みとそれを生かしたライフスタイルやワークスタイルを創造。
スマートコミュニティ エリアマネジメントによる地域に根ざしたコミュニティを形成することで、安全・安心や地域の賑わいを実現。

以上

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