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東京ガス 都市生活研究所が
都市生活レポート 「高齢者の食生活 2010」を発行
〜少量多品目の食事を手軽に実現する調理法の提案〜

東京ガス株式会社
平成22年5月25日
広報部

 

   東京ガス株式会社(社長:岡本 毅、以下「東京ガス」)都市生活研究所では、このたび、都市生活レポート「高齢者の食生活 2010」を発行しました。

   東京都の調査※1によると現在の高齢者の約9割が日常生活のことはほぼ自分ででき、ひとりで外出できる「生活自立」タイプであることがわかっています。「元気な高齢者」にとって「食」生活は、栄養摂取面はもちろん、精神的な生きがいにもつながります。
   そこで、2009年に発表した「生活空間コンセプトVOL2 高齢者の住空間研究 東京ガス都市生活研究所編2009年」(以下「生活空間コンセプトVOL2」)の65歳以上の高齢者の食生活の実態やニーズに適応した調理方法について、今回具体的な提案をおこない、レポートにまとめました。
(レポートは、6月1日以降東京ガス都市生活研究所ホームページからダウンロードできます。 http://www.toshiken.com/report/

※1.「高齢者の生活実態」平成17年度 東京都調べ

 

調査結果の概要※2

1. 高齢女性にとっての料理の意義は、精神面(アイデンティティの確認)や身体面(料理で頭や体を動かすと健康によいという意識)でも確認され、一方、男性のひとり暮 らしの場合は、経済的であるという意識が中心となる。
2. 高齢女性の9割、ひとり暮らしの男性の7割が「今後も料理をし続けたい」一方、「料理意欲の低下や品数の減少」といった課題が明らかになった。
3. ニーズからみた場合に、課題の解決に「使い慣れた調理機器の有効利用の推進」と「少量多品目」の調理提案が必要である。
 
 
「使い慣れたものを使って料理したい」 前期高齢者 夫婦世帯 67%
後期高齢者 夫婦世帯 80%
4. 課題解決のために魚焼きなどで使い慣れている※3「ガスコンロの魚焼きグリル」部分を使った少量多品目の調理を提案し、高齢者による有効性を評価した。
グリル調理実習後の意識のアンケート調査によると「調理する食材数の増加」と「夕食の調理時間の減少」がみられた。
 
野菜をグリル調理した割合 (実習前)6.3% (実習2ヶ月後)56.3%
温めなおしをグリル調理した割合 (実習前)12.5% (実習2ヶ月後)50%
夕食の調理時間 (実習前)58.5分 (実習2ヶ月後)50.5分
 
グリル調理で多くみられた野菜の加熱や揚げ物の温め直しにおける食味の主観評価では、野菜のおいしさや揚げ物の衣のサクサク感や脂っこさがないことが評価された。またその特性は理化学的検査※4によっても確認された。
やわらかく単一的な味の嗜好になりがちな高齢者にとって、グリル調理をとりいれることで、新しい食感や調理意欲を増やす効果もあると考えられる。
 
※2. 結果の1.〜3.については、「生活空間コンセプトVOL2」(2009年 東京ガス都市生活研究所) による。
※3. 夫婦ふたり世帯(後期高齢者)で「よく作るもの」(「生活空間コンセプトVOL2」による)
1.ごはん100%、2.味噌汁94%、3.焼き魚90%
※4. 理化学的検査:テクスチャーおよび成分分析を実施。(成分分析は、財団法人日本食品分析センターに依頼)

 

調査概要

・調査地域:東京都、神奈川県、千葉県、
・本研究における定義
「高齢者」:65歳以上
「前期高齢者」:65歳以上75歳未満、「後期高齢者」:75歳以上
「高齢者予備軍」:55歳以上65歳未満
(1)ニーズに基づく調理法提案のための調査(東京都健康長寿医療センター研究所との共同研究)
◆グリル調理実習後の意識行動調査(2009年10月〜2010年2月)
・対象者:75歳以上の在宅女性高齢者36名
・調査方法:対象者を無作為に2群に分け、隔週で計3回料理教室を開催。「開催前」「終了後」「終了から2ヵ月後」にアンケート調査を実施。
◆食味に関する主観評価(2009年10月)
・対象者:高齢者男女22名
・調査方法:グリル調理および従来調理によるサンプルを食して評価
 
(2)「生活空間コンセプトVOL2 高齢者の住空間研究」2009年10月
◆訪問ヒアリング調査(2008年8月)
・対象者:65歳以上の男女12名 (前期高齢者夫婦のみ世帯女性6名、後期高齢者夫婦のみ世帯女性2名、前期高齢者単身女性2名、ひとり暮らしの高齢男性2名)
・調査方法:面接聞き取り方式
◆定量アンケート調査(2008年10月)
・対象者:2世帯住宅居住を除く、主に料理を担当する人 850名
・調査方法:訪問面接調査(65歳〜84歳の450名)、およびインターネット調査 400名(比較対象の30代200名と高齢予備軍各200名)
◆定量アンケート追加調査(2009年1月)
・対象者:20歳〜84歳男女975名(平成17年国勢調査における1都3県の未婚率を割付。また、60代〜80代は被介護者でない者を対象とした)
・調査方法:訪問面接聞き取り方式(60〜80代の300名)およびインターネット調査400名(比較対象の30代200名と高齢予備軍200名)

 

東京ガス都市生活研究所について

東京ガス都市生活研究所(http://www.toshiken.com/)は、1986年社内シンクタンクとして設立されて以来、都市で生活する人々が求める今後の暮らしについて調査研究をかさね、情報発信をしています。研究分野は入浴、料理、暖房、住まいのあり方、環境意識など、生活者の日々の暮らし全般にわたり、さまざまな角度から調査研究を行うことで、これからの豊かなライフスタイルの方向性や具体的な提案を行っています。

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