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社長就任あいさつ要旨(新社長:岡本 毅)

東京ガス株式会社
平成22年4月1日
広報部

 

   2009年度〜2013年度グループ中期経営計画を完遂し、オール東京ガスのさらなる成長・発展の道筋を確固たるものにすることが、私に課せられた使命であり、中期計画に掲げた「天然ガスをコアとする総合エネルギー事業」にオール東京ガスを挙げて取り組んでいきたいと考えております。
   今後の事業遂行にあたり、共有していただきたい認識について3点述べます。

   第1は、「エネルギー産業が大きな構造変化ともいうべき状況に直面している」という点です。
   他エネルギーとの競合がますます厳しさを増しています。家庭用の新築オール電化については、太陽光発電ブームとも相俟って、外周地区だけでなく都心部にも及ぶ一方、既設のお客さまにも拡がっています。こうした電化の波は、家庭用のみならず、業務用さらには産業用の分野にまで及びつつあります。
   一方、エネルギー業界を取り巻く状況は、大きな変革期を迎えています。民主党を中心とした現政権は、「温室効果ガスを2020年までに1990年比で25%削減する」という目標を掲げ地球温暖化対策基本法の制定を目指すとともに、地球温暖化対策税や国内排出量取引制度の導入など、様々な政策議論を始めています。本年6月にはエネルギー基本計画や長期エネルギー需給見通しが取りまとめられ、さらには、中長期を見据えたエネルギー産業のあり方そのものが議論の俎上に乗ることも予想されます。このように、「低炭素社会の実現」というキーワードに代表される形で、石油、電力、ガスの枠組みを超えた、新たなエネルギー産業構造の構築に向けて大きな地殻変動が始まっています。

   第2は、こうした激動の中にあって、「私達の事業のコアである天然ガスは、その重要性をなお一層高めていく」ということです。
   「低炭素社会の実現」のための有力手段として、太陽光、太陽熱、風力、バイオマスなどの再生可能エネルギーが注目を集めています。これらを可能な限り活用していく必要があることは言うまでもありませんが、一方で量的な制約や供給の不安定性が避けられないため、エネルギー全体の中で占める位置には自ずと限度があります。
   従って、低炭素社会を目指していく上でも、石油、石炭、そして天然ガスという化石エネルギーが今後とも非常に重要な位置を占めることは明らかです。
   天然ガスは、「化石エネルギーの中での圧倒的な環境優位性」、「多様な調達先や強固なLNGバリューチェーンをベースとした供給安定性」、「分散型電源はじめ様々な需要形態に対応できる利便性と経済性」を有する非常に優れたエネルギーであり、幅広い分野において高度利用することが今後の私達の役割となります。家庭用分野では、エネファームをはじめ最新のガス機器を投入して、お客さまの求める快適で環境負荷の小さい生活の実現を図っていきます。業務用や産業用分野ではコージェネレーション・システムなど高効率機器の導入や、石油などからの燃料転換等を通じて天然ガスの利用を拡大していきます。再生可能エネルギーについても、天然ガスとの組み合わせを図ることによってその利用を促進してまいります。また、地域・コミュニティという「面」として需要を捉え、再生可能エネルギーや系統電力、そして天然ガスのベストミックスによって最適エネルギー供給の実現を目指す「スマートエネルギーネットワーク」の構築も課題となります。その先には、「水素」を核とするエネルギーネットワークまで視野に入ってきます。
   このように、中期計画で掲げた「天然ガスをコアとする総合エネルギー事業」の取組みを通じ、中長期にわたってわが国のエネルギー供給に重要な位置を占め続け、「低炭素社会の実現」に向け積極的に貢献してまいります。

   第3は、「オール東京ガスの発展を支える経営基盤を大切にするとともに、さらに強化していく」ということです。
   私達は、ガス田からLNG基地、パイプラインを経由し、1,060万件を超えるお客さまと直接つながっている「LNGバリューチェーン」という大きな強みを持っています。
   当社はこのチェーンのさらなる強化の一環として、昨年末、茨城県日立市における新しいLNG基地および同基地から栃木県真岡市に至るパイプラインの建設計画を発表しました。2015年度を目標とするこのプロジェクトが完成すれば、関東圏全域における当社の供給体制は正に磐石のものとなり、長期に亘る成長・発展の基盤が確立することとなります。
   また私達は、現場第一線におけるお客さま接点を飛躍的に強化するという観点から、オール東京ガスを挙げて「東京ガスライフバル体制」を築き上げました。これからは、「地域密着型営業体制の確立」という理念の実現に向けて、この「形」に「魂」を込めるべき時であり、お客さまのご満足と信頼を高められるよう取り組んでまいります。
   さらに永年にわたり築き上げてきた「安心・安全・信頼」のブランド価値も強みの一つであり、お客さまのご期待に応え、地域社会を支える誇りを持って仕事に臨むことで、このブランド価値を高めていきたいと思います。
   バリューチェーンを強化するのも、ブランド価値を高めていくのも、オール東京ガスの全ての人の力であり、その力を最大限発揮できるよう、「人」を何よりも大切にすることを経営の根幹において全力を尽くしてまいります。

以上
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