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「固体酸化物形燃料電池実証研究」における
家庭用SOFCシステムの実証運転の開始について
〜横縞形セルスタックの耐久性の大幅な向上に成功〜

東京ガス株式会社
京セラ株式会社
リンナイ株式会社
株式会社ガスター
平成21年12月15日

 

  東京ガス株式会社(社長:鳥原光憲、以下「東京ガス」)、京セラ株式会社(社長:久芳徹夫、以下「京セラ」)、リンナイ株式会社(社長:内藤弘康、以下「リンナイ」)、株式会社ガスター(社長:中西誠一、以下「ガスター」)の4社は、発電部に横縞形セルスタックを搭載した固体酸化物形燃料電池※1(以下「SOFC」)システム(以下「本システム」)を共同開発しています。
  東京ガスは、本システムとして初めて、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下「NEDO」)の助成事業である「固体酸化物形燃料電池実証研究」(以下「SOFC実証研究」)に参加し、今月から実証運転を開始しました。
  本システムでは、従来システム※2に比べて、一次エネルギー消費量を約45%、CO2排出量を約55%削減できます。
  また、発電部である横縞形セルスタックについて、これまで1年程度の耐久性を確認していましたが、このたび、セルスタックを複数本束ねたセルスタックバンドル※3の耐久試験を電気炉によって実施し、5年相当の耐久性を見込める結果を得ました。

※1 固体酸化物形燃料電池は都市ガス等の燃料から取り出した水素等と空気中の酸素を化学的に反応させることにより電気と水を取り出す燃料電池の一種です。発電部であるセルスタックには主にセラミックが使われ、700℃以上の高温で発電します。火力平均発電効率(41%LHV)を超える、燃料電池で最も高い発電効率があること、排熱温度が高いことから貯湯タンクの小型化が可能なこと、部品点数が少なく低コスト化が期待できること等の特長があります。
※2 電気は火力発電所から供給し、熱は当社の都市ガスを用いた従来給湯器から供給する方式です。
※3 横縞形セルスタックの1本あたりの発電電力は約10ワットです。これを複数本束ね、各セルスタックを電気的に接続することで、実用的な電気出力を得ています。このセルスタックを束ねた形態をセルスタックバンドルと呼んでおり、この単位でシステムに搭載されています。

SOFC実証研究における実証運転

  SOFC実証研究は、今後の技術開発課題を抽出するために、一般の住宅等にSOFCシステムを設置し、実負荷環境下で運転を行い、実証データの収集、評価分析を実施するプロジェクトで、平成19年度から平成22年度まで4年間の計画で実施しています。
  東京ガスでは今月から、神奈川県横浜市と東京都国分寺市の戸建住宅で1台ずつ、合計2台の本システムを実証運転しています。平成22年度には新たに4台の実証運転を実施し、合計6台の実証運転を行う予定です。
  これらのシステムを実負荷環境下で運転し、耐久性、信頼性の検証をするとともに、抽出した課題を今後の開発に活用します。セルスタック、システムともに10年耐久を見通し、発電効率の一層の向上やさらなるコンパクト化を図ることにより、2010年代前半に商品化を実現する計画としています。

SOFC実証研究で設置するシステム

  本システムは、横縞形セルスタックを搭載する発電ユニットと、回収排熱を有効に活用するための貯湯ユニットから構成されており、両ユニットともに東京ガス、リンナイ、ガスターが中心となって開発を進めたものです。
  発電ユニットは、横縞形セルスタックの能力を最大限に引き出すため、放熱ロス制御のためのコンパクト化や、内部温度分布や燃料や空気の流量分布の最適化をめざした設計としています。
  貯湯ユニットは、省エネルギー性、環境性を考慮し、補助熱源器として潜熱回収型高効率給湯器「エコジョーズ※4」を採用し、発電ユニットとの連携に配慮した専用設計です。
  両ユニットともに、実際の住宅における実証運転を前提とした安全性の確認を行い、使い勝手にも配慮した運転制御方法を採用しています。また、都心の狭小地にも設置できるよう、コンパクトな設計にしています。
 
※4 エコジョーズは、これまで排熱として捨てていた熱を効率的に回収することにより、給湯効率が従来の約80%から約95%まで向上した高効率給湯器です。

横縞形セルスタックの耐久性向上への取り組み

  横縞形セルスタックは、東京ガスと京セラが開発を進めているもので、一本のセラミック基板上に発電部の最小単位である多数の単セルが形成され、各セルが基板上で電気的に直列接続された構造となっています。セルスタックの大部分を占める基板に安価な絶縁性材料を利用できることから、量産による低コスト化が期待できます。
  横縞形セルスタックの開発にあたっては、実用化のポイントのひとつである耐久性の向上に重点を置き、東京ガスが提案・設計した横縞形電極構造に基づき、京セラの材料技術、製造技術を活用して進めてきました。詳細設計の見直し、構成材料の開発、製造技術の改善等により、耐久性に影響を及ぼす合金系材料を使用しないオールセラミックセルスタック技術を開発し、さらに、長期間発電後であってもセルの電極劣化が抑制できる材料を開発する等、技術的な改良を積み重ねてきました。
  これらの取り組みの結果、セルスタックバンドルの電気炉における耐久試験において、5年相当の耐久性を見込める結果を得ました。

横縞形SOFCの開発経緯

  東京ガス、京セラ、リンナイ、ガスターの4社は、平成16年2月からSOFCシステムの早期実用化に向けて、業務用用途を対象に発電ユニットの開発を開始しました。
  平成19年度からは、家庭用に適用分野を変更するとともに、発電ユニットからコージェネレーションシステムに範囲を広げて開発を進めています。
  4社の主な分担範囲として、セルスタックバンドル開発を東京ガスと京セラが、発電ユニット開発と貯湯ユニット開発を東京ガス、リンナイ、ガスターが、それぞれ担当しています。

本システムの仕様

発電ユニット
発電出力 700W
発電効率 42%LHV
排熱回収効率 35%LHV
寸法 幅×奥行×高さ(単位:mm) 650×350×1040
貯湯ユニット
貯湯タンク 80リットル
給湯器 24号潜熱回収型
寸法 幅×奥行×高さ(単位:mm) 890×350×1620

学会発表

  本件について、12月17日・18日に開催される第18回SOFC研究発表会で発表を行います。
 
日時 12月 17日(木)9時30分〜17時30分
18日(金)9時00分〜16時40分
場所 科学技術サイエンスホール(東京都千代田区北の丸公園2−1)
主催 SOFC研究会
詳細はSOFC研究会のホームページ(http://sofc.electrochem.jp/)をご覧ください。

  東京ガス、京セラ、リンナイ、ガスターは、低炭素社会の実現のため、SOFCシステムの早期実用化に向けて、今後も鋭意開発を進めてまいります。

参考

■横縞形セルスタック写真
■横縞形SOFCシステム設置状況
■SOFCシステム概要
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