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2003年度〜2007年度
グループ中期経営計画

「フロンティア2007」
新たなステージを目指した変革と創造

東京ガス株式会社
広  報  部
平成14年10月15日

はじめに

 当社は、1999年11月に、21世紀初頭の当社のあるべき姿を実現するためのアクションプログラムである「中期経営計画(2000年度〜2004年度)」を発表し、グループをあげてその実現に取り組んできた結果、2002年度までの3ヶ年で所期の目標を達成できる見通しとなりました。
 その後の規制緩和の進展、競合状況の激化など当社グループをめぐる経営環境には大きな変化が予見されることから、この度、当社グループのコア事業領域であるエネルギー関連領域の中で、グループとして成長、発展する「フロンティア2007(2003年度〜2007年度グループ中期経営計画)」を策定いたしました。
 今回のグループ中期経営計画では、基軸となる「4つの柱(ビジネスモデルの変革、グループ経営体制の構築、企業体質の強化、エネルギー関連領域への事業拡大)」を置いておりますが、中でも「ビジネスモデルの変革」とそれを実現する「グループ経営体制の構築」は従来施策との大きな変更点であります。
 「ビジネスモデルの変革」は、天然ガスを核としたバリューチェーン全体を活用することで、各市場のお客さまに対しての最適な解決策となるエネルギーとエネルギー付加価値を提供していくものです。また、「グループ経営体制の構築」については、このビジネスモデル変革実現のため、関係会社と本体を一体として経営することで、グループトータルとしてお客さまに提供できる価値を最大限に発揮できるような組織体を目指すものであります。
 お客さまに対して、これまで東京ガスグループが提供してきた価値である、「快適な生活の実現」、「エネルギーの高効率利用」、「環境負荷の低減」などは今後とも事業の基盤となりますが、これらの実現にあたっては、当社グループが培ってきた、「900万件のお客さまとの密接な結びつき」こそが我々が大切にしていかなければならない財産であると考えています。そして、「東京ガスグループに任せて良かった」と言われ続けるような信頼関係を、さまざまな市場でのお客さまとの間で更に強いものにしていきたいと考えます。
 東京ガスグループは、本中期経営計画「フロンティア2007」の着実な実行により、前回の中期経営計画を上回る高い成果を達成し、関東圏を中心とする「エネルギーフロンティア企業グループ」としての持続的な成長を遂げることで、お客さま、株主の皆さま、社会からの信頼にお応えできるものと確信しております。

代表取締役社長 上原 英治

T.「フロンティア2007」の基本的考え方

1. 当社グループが目指すべき姿

「環境に優しい天然ガスを中心としたエネルギーおよびエネルギー周りでの付加価値を提供することを通じて、経済社会の発展と快適な生活の実現および地球環境問題の改善に貢献し、お客さま、株主の皆さま、社会から常に信頼を得て発展し続ける企業グループ」を目指すべき姿といたします。

2. 経営環境認識

(1) 競合の激化

規制緩和の進展により、既に当社供給区域内での新規参入者によるガス供給が実現するなど、ガス対ガス競合が激化しており、今後競合が更に厳しくなると考えられます。
また、電力料金の引下げにより、特に業務用分野の電力対ガス競合が激しくなると同時に、IHクッキングヒーター、CO2冷媒ヒートポンプ給湯器などによるオール電化攻勢により、家庭用分野でも電力対ガス競合が激化しています。
これらの競合リスクを正しく認識し、適切なリスクマネジメントを行っていくことが必要と考えております。

(2) ビジネスチャンスの拡大

このようにエネルギー競合は益々激しくなってまいりますが、一方で、規制緩和の進展により、将来的には、電力、ガス、その他ユーティリティ、エネルギーサービス、家庭用各種サービスなどを含めたエネルギー関連市場が融合して新たな市場が生まれ、ビジネスのチャンスが拡大していくと考えております。
また、地球環境の保全がより重要となる中、環境に優しい天然ガスと、それを効率良く利用する当社グループの技術の優位性が高まっていると認識しております。
さらに、関東圏の天然ガスを中心としたエネルギー需要は、今後も着実に増加する状況下にあって、当社グループは大規模な設備形成期を終えて投資回収期を迎えており、新たな領域への進出のためのキャッシュフローを確保することができます。
したがいまして、競合は激しくなるものの、本計画期間の経営環境には、当社グループにとって大きなチャンスが存在しており、競合に打ち克つことにより、当社グループの成長、発展とお客さま、株主の皆さま、社会からの信頼が実現できるものと考えております。

3. 「フロンティア2007」を支える4つの柱

  • ビジネスモデルの変革
  • グループ経営体制の構築
  • 企業体質の強化
  • エネルギー関連領域への事業拡大
  1. これまで当社グループは、ガス事業において、積極的な需要拡大と徹底した経営効率化を行い、その成果を、お客さま、株主の皆さまに還元するとともに、自らが成長、発展を遂げてきました。
  2. 需要拡大と経営効率化は、当社グループのさらなる発展のために不可欠な課題であり、激化するガス対ガス競合、電力対ガス競合に打ち克つためにも、さらに深化させていかなければなりません。しかし、規制緩和の進展による環境変化や将来の市場融合が予見される中、それだけでは勝ち残れない状況が考えられます。
  3. お客さまから選択され続けるためには、当社グループもお客さまが求めるものを提供できるよう、自分自身の体質、ビジネスの領域や仕組みそのものを変革していかなければなりません。
  4. そこで、本計画を「競合激化に対応して競争力を強化すると同時に、将来にわたって、お客さまに選択され続け、グループとして成長、発展を遂げていくため、当社グループの体質、ビジネスの領域や仕組みそのものを変革する計画」と位置づけ、
    「ビジネスモデルの変革、グループ経営体制の構築、企業体質の強化、エネルギー関連領域への事業拡大」を今回の「フロンティア2007」の4つの柱としました。
  5. 本計画の実行により、当社グループは、環境の急激かつ大幅な変化を乗り切り、関東圏を中心とした「エネルギーフロンティア企業グループ」(注)として発展が可能な体質を実現します。そして、お客さまや株主の皆さま、社会から常に信頼を得続けるグループを目指します。

    (注)エネルギー周辺領域の新規分野に積極的に進出し、ガスだけでなく電力などの各種エネルギーやエネルギー周りの付加価値を提供する先進的な企業グループ

U.主要政策

1. ビジネスモデルの変革

これまでの「ガス単体供給を中心とするビジネスモデル」から「エネルギーとエネルギー付加価値をグループトータルのバリューチェーンを通じて提供するビジネスモデル」に変革いたします。

(1) LNG基地

コストセンターから基地インフラを活用するビジネスへの変革

  • 低コストを実現するための稼働率向上とコストダウン
  • 特別点検・診断・重点修理などによるLNG設備の長寿命化
  • 相対交渉による第三者の基地利用への取組み
  • グループ内で発電事業を実施することによる稼働率向上

(2) パイプライン

コストセンターからパイプライン輸送・配給・託送ビジネスへの変革

  • 投資採算性を踏まえた最適導管網形成・安定供給体制の確立
  • 電力対ガス競合に打ち克ち輸送量を増大させるためのコストダウン
  • 保安関連投資、費用の選択と集中による、保安レベルの着実な向上とコストダウンの両立
  • 託送による稼働率向上

(3) 産業・業務用エネルギー

顧客・企業ネットワークを活かして、エネルギーに関する最善の解決策をワンストップで提供するビジネスモデルへの変革

  • エネルギーサービスの拡大
  • 電力一体販売体制の整備
  • エネルギーの単体供給からエネルギーサービス、ガス・電力併給、エンジニアリングからメンテまでのワンストップサービスへの拡大

(4) 家庭用エネルギー

顧客への価値提供ネットワークを通じ、エネルギー・商品・サービスをトータルで価値提供するビジネスモデルへの変革

  • 家庭用新サービスとしてのリフォーム、保険、ホームセキュリティなどのホームサービスの展開
  • 電化対抗戦略の推進
  • 家庭用小型燃料電池の商品化と普及拡大

(5) 広域エネルギー

多様な商材、新たな営業手法のベストミックスによる広域ビジネスへの変革(直接供給、卸、エネルギーサービス、LPG、LNG販売、他社とのアライアンス)

  • 建設予定パイプライン周辺の新規需要の積極的獲得
  • 戦略的料金、営業支援・技術支援の強化、エネルギーサービスの提供などによる卸ガス販売の営業力強化
  • エネルギーサービスの広域展開
  • グループとしてのLPG事業の積極的展開と規制緩和の進展に対応したLPG事業者との協調・連携
  • ローリー、内航船などの輸送方法によるLNG販売の拡大
  • 他社とのアライアンスなどによる効率的なインフラ形成を基盤とした広域展開(例:富士〜御殿場3社連携パイプライン)

(6) 原料

上流・輸送に進出しLNGバリューチェーン全体の中でメリットの最大化を図るビジネスモデルへの変革

  • バリューチェーンを拡大し、原料調達とのシナジー効果を産み出すための上流および輸送事業への進出(例:豪州・東チモール「バユ・ウンダン・ガス田」開発プロジェクトへの参画、東京エルエヌジータンカー(株)によるLNG輸送事業)
  • 自社船活用を絡めたFOB契約の拡大
  • 短期・スポット契約の導入および引取数量弾力性の拡大などによる柔軟性の拡大
  • 契約更改、新規契約時などを捉えた調達コストの一層の削減と市場ニーズに応じた価格フォーミュラの形成

(7) 技術開発

燃料電池開発を重点とした、ビジネスモデルの変革・創出に資する技術開発への変革

  • 家庭用小型燃料電池について、開発、フィールドテストを通じ2004年度に初期商品化、継続的な技術開発により積極的に普及、拡大
  • 水素供給ビジネスなど「新規ビジネスモデルの創出」に資する技術開発の実行
  • 競争力強化のための高効率コージェネレーションシステムの開発
  • お客さまサービスの向上や環境への配慮、コストダウンなどに資する「非開削導管修理工法」の開発・導入

2. グループ経営体制の構築

(1) 戦略ビジネスユニット制の導入

「ガス単体供給を中心とするビジネスモデル」から「エネルギーとエネルギー付加価値をトータルで提供するビジネスモデル」に変革するためには、本体と関係会社各社のノウハウ、商材の活用から事業戦略の立案・実行を一体で行う必要があります。そこで2004年度から「戦略ビジネスユニット制」を導入して、本体事業と関連事業を一体として経営することにより、ビジネスモデルの変革とグループ価値の最大化を実現します。

  1. 機能別業務別の組織である本体の現行戦略本部を、規制緩和の動向を踏まえつつ、より市場指向を強めたビジネスユニット別の組織である新たな戦略本部に改編・統合します。
  2. 本体の事業と密接に関連している関係会社の事業領域を、新たな戦略本部のもとに編入して全体で一つの経営単位と位置づけ、経営資源の活用、事業戦略の立案・実行を一体的に行います。
  3. 複数の戦略ビジネスユニットに関連する事業領域を有する関係会社は、戦略ビジネスユニットに合わせて再編統合します。
  4. コーポレートがグループ全体を見た全体最適化のための枠組みを定め、その枠組みの中で、各戦略ビジネスユニットが、自らビジネスユニットとしての最適化を実現します。
  5. グループ全体の間接業務を行うシェアードサービス部門は、戦略ビジネスユニットと同様の一つの経営単位とします。
  6. 戦略ビジネスユニットやシェアードサービス部門に属さず独立した関係会社は、独立した経営単位とし、コーポレートが管理します。

(2) 関係会社事業の構造改革

グループ経営体制を構築しグループ利益の最大化を図るためには、戦略ビジネスユニット制において、本体の新戦略本部やシェアードサービス部門と一体となって経営単位を構成する関係会社事業、およびコーポレートの下で独立した経営単位となる関係会社事業の各々の競争力向上が必須となります。そこで、関係会社の各事業の構造改革を行い、2005年度までにTEP(注)を黒字化します。(長期で投資回収を行う会社などTEPでの評価が適切でない事業を除きます)
(注)TEP:Tokyo Gas Economic Profit
TEP=税引後・利払前利益−資本コスト(有利子負債コスト+株主資本コスト)
(前提条件) 有利子負債コスト率:2.23%(税引後)、株主資本コスト率:6.5%

3. 企業体質の強化

(1) 「信頼される企業」を目指して
〜お客さま満足の向上、コンプライアンスの徹底と積極的な情報公開

企業活動の源泉はお客さまへの価値の提供であり、今後ともすべての活動の中心にお客さまを置きます。また、コンプライアンスについては、グループ全体に対する徹底を図る観点から、社長以下から構成される「経営倫理委員会」を設置するとともに、常設の専門対応組織によって推進してまいります。
情報公開についても、積極的に実施し、お客さま、株主の皆さま、社会から常に信頼を得る東京ガスグループを目指します。

(2) 事業評価基準、投資判断基準の明確化

事業の進出・継続・撤退の判断基準としてTEP 、投資判断基準としてNPV(Net Present Value)、IRR(Internal Rate of Return)をグループ共通の基準として導入します。

(3) 総資産の圧縮と資産効率の向上

固定資産、金融資産などの圧縮により資産効率を向上させ、新規事業への投入キャッシュフローを確保します。また、グループ一体としてのCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入し、手元流動資金を削減します。

(4) 一般管理費・間接部門の効率化

経理、購買、人事業務について、グループ全体の間接業務を行うシェアードサービス化を行うとともに、本社スタッフの人員、コストの削減により、一般管理費・間接部門の効率化を実現します。

(5) 人材育成と人員の削減

  1. ビジネスモデルの変革のためには、人材の質を向上させ活力溢れる組織を実現していくことが必要であり、人材育成、人材マネジメントの強化を推進します。
  2. 各事業の徹底的な効率化により、2007年度末までに2002年度末比で約▲1,700人(▲16%)の人員を削減し、8,800人以下の体制とします。また、年俸制の拡大など業績主義を徹底します。

(6) 諸経費の抑制

諸経費の徹底した合理化に努め、お客さま業務の外注化という増加要素を織込んだ上で、2007年度を2002年度と同レベルに抑制します。

(7) 株主の皆さまへの対応と財務体質の強化

  1. 一株あたりの価値を向上させ、株主の皆さまの期待に応えるとともに、資本コストを削減するために、5ヶ年で1,000億円規模の自社株取得を実施します。
  2. 金利リスクを軽減し財務体質を強化するため、連結で約▲1,500億円(単体約▲900億円)の有利子負債削減を実施します。

(8) 料金引下げへの対応

競争力を強化するため料金引下げを実施します。具体的な料金引下げ幅、時期については今後の状況を見て判断してまいります。

4. エネルギー関連領域への事業拡大

エネルギー関連領域へ事業拡大を行い、新規領域で2007年度売上高500億円、2010年度売上高1,500億円を目指します。事業領域の拡大においては、上流から下流に至るバリューチェーンを築くことにより、競合力の優位を確保します。

(1) 電力事業

電力事業拡大の基盤となる自社LNG利用発電所を建設しますが、これらの発電所は需要地に近接していること、最新型の高効率コンバインドサイクル発電機を利用するため環境負荷が低いこと、当社のLNG基地周辺に立地することなどにより発電所としての優位性を確保します。規模については、規制緩和の進展状況、電力の需給動向に応じて事業を段階的に拡大し、将来的には300万kW規模までの可能性を考慮します。

(2) エネルギーサービス

(株)エネルギーアドバンスを中心に展開し、エネルギーサービス、ガス・電力併給、エンジニアリングからメンテナンスまでのワンストップサービスに拡大します。

(3) 上流開発・輸送事業

海外のガス田、液化基地の開発プロジェクトに参画して収益を得るとともに、LNG輸送事業も実施し、上流・輸送・LNG購買のシナジー効果による競争力の確保と原料の調達条件向上を図ります。

(4) 海外事業

海外の都市ガス、発電などのエネルギー事業へ進出し、当社の技術・ノウハウを活かした経営を行うことによって収益を得ます。

(5) 家庭用新サービス

家庭用のガスに併せて他のユーティリティの供給事業、また、リフォーム、設備機器の施工・メンテナンス、保険、ホームセキュリティなどのホームサービス事業の展開を図ります。

エネルギー関連領域への事業拡大目標

 
売上高(億円)
2007年度
2010年度
電力
110
750
エネルギーサービス
100
300
海外
110
150
家庭用新サービス
180
300
合計
500
1,500

V.主要経営目標

「フロンティア2007」の実現によって、収益基盤拡大側では、積極的な需要開発、 エネルギー関連領域への事業拡大を実現するとともに、企業体質強化側では関係会社事業の構造改革(2005年度までのTEP黒字化)、人員の削減や諸経費の抑制を通じた販売量1m3あたり固定費の2002年度比▲24%コストダウン、総資産の圧縮と資産効率の向上、財務体質の強化などにより、以下の主要経営目標を実現します。

1.連結

2.単体

(参考1)フロンティア2007における諸計数

1.連結

 
02年度
07年度
03〜07年度平均
総売上高
(億円)
11,210
11,650
11,560
ROE
(%)
8.5%
9.2%
9.1%
自己資本比率
(%)
34.2%
42.4%
38.4%
設備投資額
(億円)
1,280
920
1,020
期末総資産
(億円)
17,390
17,070

2.単体

 
02年度
07年度
03〜07年度平均
総売上高
(億円)
9,840
9,760
9,810
ROE
(%)
8.5%
8.9%
9.0%
自己資本比率
(%)
37.9%
43.7%
40.5%
期末総資産
(億円)
14,300
14,430


(参考2)00-04年度中期経営計画との比較

  (下記の「00-04見通し」は、「中計経営計画の進捗状況と今後の見通し」(01年5月))

1.連結


   2.単体



 

 

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